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【社会】

道東沖でM9級 30年内に最大40% 地震調査委公表

東北電力東通原発を囲うように設置されている防潮堤=2014年3月、青森県東通村で

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 政府の地震調査委員会(委員長・平田直(なおし)東京大教授)は十九日、北海道東部沖の太平洋で、大津波を伴うマグニチュード(M)9級の超巨大地震の発生が「切迫している可能性が高い」との予測(長期評価)を公表した。道東沖では三百四十〜三百八十年間隔と考えられる超巨大地震が約四百年前に発生。北海道大の研究では、この時の津波は海抜二十メートルを超え、沿岸から四キロ内陸まで浸水したと推定されている。

 同時に四国地域にある主な活断層の長期評価も公表。近畿から西に延びる「中央構造線断層帯」は四国を横切り、大分県に及ぶと評価を改めた。断層帯の長さは三百六十キロから四百四十四キロになった。

 道東沖で調査委は、四百年前のような超巨大地震が今後三十年間に起きる確率を、複数のシナリオに応じて7〜40%と推計。確率を絞り込む情報が少なく幅を持たせた。

◇原発リスク 懸念の声

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 政府が公表した北海道東部沖の超巨大地震や四国の巨大活断層で起きる地震のリスクについて、いずれも原発に近いとあって、評価の甘さを懸念する声も。原子力規制委員会の審査とは別に一般の防災想定として、政府は揺れや津波の高さを推計する見通しだ。

◆データがない

 「超巨大地震の震源域が青森県沖に広がる可能性は検討しないのか」。文部科学省で開かれた記者説明会。記者の問いに平田直・地震調査委員長(東京大教授)は「可能性はあるが、実際にそういうことがあったとのデータがなく、今は評価できない」と答えた。

 だが、北海道は二〇一二年、道東沖から青森県沖を震源域とするM9・1の地震を独自に想定。青森県や岩手県の沿岸にも津波が及ぶ結果だ。

 青森県下北半島には東北電力東通原発や日本原燃の使用済み核燃料再処理工場、電源開発が建設する大間原発がある。いずれも規制委で地震や津波の想定を審査中だ。再処理工場は海抜五十五メートルの高台にあるが、これより低い東通では一一・七メートルの津波を想定し防潮堤を設置。大間も防潮堤の工事を行っている。

 東京電力福島第一原発事故が起きた一一年の東日本大震災は、連動はしないとされていた海の震源域が連動し、M9の超巨大地震となった。

 ある地震学者は「道東沖から青森県沖に連動する超巨大地震は、起きないとは言い切れない。一般の防災想定にも入れるべきだ」と打ち明ける。

 北海道−東北地方沖の地震については、主に防災を担う内閣府の検討会が一八年に、各地の最大津波の高さや地震の揺れの強さの推定結果を公表する方針だ。

四国電力伊方原発=11月、愛媛県伊方町で

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◆計算条件問題

 四国電力伊方原発(愛媛県)から約八キロ北の海底には活断層「中央構造線断層帯」が東西に走る。今回の長期評価で長さ四百四十四キロとなった。

 既に規制委の審査に合格した伊方原発では、全長約四百八十キロの活断層を考え、耐震設計に用いる地震の揺れを最大加速度六五〇ガルと設定。巨大地震に耐えるとした。

 しかし、中央構造線断層帯に詳しい岡村真・高知大名誉教授(地震地質学)は「揺れの想定が甘すぎる。断層帯の長さというよりも、ほかの計算条件が問題だ」と批判する。

 活断層の地震の揺れを、現在の科学は正確に予測できるのか。岡村さんは「伊方原発は日本最長の断層帯の近くにある。揺れに耐えられるとは思えない」と話す。

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