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【社会】

豊洲、来年10・11開場決定 市場業者には徒労感も

移転日について話し合われた新市場建設協議会=20日午後、東京都中央区の築地市場で

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 東京都の小池百合子知事は二十日、豊洲市場(江東区)の開場日を二〇一八年十月十一日と発表した。築地市場(中央区)は同六日で八十年以上の歴史を閉じ、七〜十日の四日間を引っ越し期間にあてる。記者会見で小池知事は「一つの節目を迎えた。豊洲を日本の新たな中核市場として育てていく」と述べた。

 当初予定から二年近く遅れての移転となる。移転延期に伴う業者への損失補償は、約九十二億円の見通し。豊洲市場内に造る予定の観光拠点「千客万来施設」の見通しが立たないなど、課題は残る。

 都によると、二十日に築地市場内であった協議会で、業界団体が開場日に合意した。今後は土壌汚染対策として、一八年七月までに地下水管理システムの機能強化工事などを行う。

 豊洲の開場後、都は二〇年東京五輪・パラリンピックに向け、築地跡地と選手村などを結ぶ環状2号を二〇年三月までに開通させる。築地跡地は東京大会で選手らの輸送拠点として使用。大会後は再開発し、都の有識者会議が来年五月に構想をまとめる予定。

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 小池知事が「いったん立ち止まる」と移転延期を表明して一年四カ月。豊洲市場の開場日がようやく決まった。市場業者からは「築地よありがとう、という気持ち」と安堵(あんど)の声が聞かれたが、「時間と費用をかけて結局元に戻った」と徒労感も交錯した。

 「振り回されてきた」。築地市場協会の伊藤裕康会長は、二十日の協議会後の記者会見でこう振り返った。

 市場業界は、小池知事が移転延期や築地跡地の再開発方針などを掲げるたびに、業界内で意見を交わし、都に説明を求めた。

 開場日を巡っても十一月中旬の合意直前、豊洲市場内に造る観光施設が確定していないとして、江東区が懸念を表明。業界は都に区との調整を求め、決定が先延ばしになっていた。

 区によると、長谷川明副知事が十八日に区庁舎を訪れて謝罪した。山崎孝明区長は二十日、「都の責任で決定されることはやむを得ない」とのコメントを発表した。

 小池知事は会見で一連の経緯を振り返り「開場後に(土壌汚染などが)明るみに出ることを考えると、むしろ混乱を防ぐことができたのではないか」と自身の対応を正当化した。 (木原育子、神野光伸)

 

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