東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

自転車保険、義務付け加速 相模原市条例案が可決

 自転車が歩行者にぶつかり死なせるなど相次ぐ深刻な自転車事故に対応するため、相模原市議会は二十二日、自転車利用者に損害賠償保険への加入を義務付ける条例案を、全会一致で可決した。市などによると、保険加入を義務付ける条例は他にも、埼玉県や名古屋市など全国十二の自治体が導入している。

 相模原市の「安全に安心して自転車を利用しようよ条例」では、小売店にも加入の確認を義務付けるほか、高齢者の自転車利用者にヘルメット着用を促し、市の安全啓発の責務も明確にした。保険加入の義務付けは来年七月、その他の部分は今月二十五日に施行する。罰則は設けていない。

 警察庁の統計によると、自転車と歩行者の事故は昨年、全国で約二千三百件発生。ここ数年は減少傾向にあるものの、二〇〇六年以降は二千五百〜三千件で推移している。

 相模原市交通・地域安全課によると、市内は起伏があまりなく、自転車の利用者が多い。交通事故に自転車が絡む割合は神奈川県全体が約二割なのに対し、市内は約三割に上るという。

 同県内では今月、自転車が歩行者にぶつかって死なせる事故が相次いだ。川崎市麻生区で七日、電動アシスト自転車の女子大生(20)が交差点で女性(77)に衝突し、女性が二日後に死亡した。県警は、女子大生が直前までスマホを操作するなどして前方をよく見ていなかったとして、重過失致死容疑で書類送検する方針。

 十二日にも横浜市鶴見区で、自転車の男子中学生(14)が犬の散歩中の女性(79)にぶつかり、女性は腹を打つなどして死亡した。

写真

◆埼玉県も10月に条例改正

 自転車による事故では、裁判で高額な賠償を命じられるケースもある。利用者に保険加入を義務付ける条例は二〇一五年に兵庫県が初めて設けたとされ、自転車事故の損害を補償する保険の保険料が安くなったこともあり、同様の動きが広がっている。

 自転車事故を巡る損害賠償訴訟では、神戸地裁が一三年、六十代の女性が坂道を下ってきた小学生の自転車にはねられ意識不明となった事故で、小学生の親に約九千五百万円の賠償を命令。〇五年には横浜地裁が、携帯電話を使いながら乗っていた女子高生に看護師がはねられ、手足に障害が残った事故で五千万円を支払うよう命じた。

 一人当たりの自転車保有率が〇・七六台(〇八年、自転車協会調査)と全国トップの埼玉県も来年四月から、保険加入を義務付ける。県によると、交通事故に占める自転車事故の割合は約三割で、全国平均の約二割を大きく上回る。

 一二年施行の県条例で、自転車保険の加入を努力義務として規定していたが、昨年八月時点で加入率は45%にとどまっていたことなどを受け、県議会が今年十月に条例改正した。義務化の対象は県民に限らず、県内で自転車を運転する人と、自転車を業務に使用する事業者すべて。未成年者は保護者に加入義務がある。

 自転車事故の保険は、自動車保険や傷害保険、火災保険、クレジットカード付帯保険の特約でついている場合もある。一人の加入で家族全員分をカバーできる保険もあるという。県によると、以前は保険料が年四千円程度だったが、最近は安いもので年千二百〜千三百円に下がり、義務化に踏み切る大きな要因となったという。

 県の担当者は「まずは自分が入っている保険が自転車事故に対応しているか、確認をしてほしい」と話している。 (岡本太)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報