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【社会】

高まる意識、進まぬ帰還 福島事故後 電力ピーク使用15%減

11月21日、福島第一原発で

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 全国十地域の電力会社で今夏、年間で最も電力使用の多いピーク時の使用量が、東京電力福島第一原発事故前の二〇一〇年夏に比べて約15%減ったことが分かった。減少幅は原発二十六基分に相当する。家庭や企業に発光ダイオード(LED)照明など省エネ技術が広く普及したことが大きい。東京電力や中部電力の管内では「原発ゼロ」で今夏を乗り切った。 (酒井健)

 経済産業省の認可法人「電力広域的運営推進機関」が十月にまとめた報告書によると、全国の今夏の電力需要のピークは八月二十四日午後二〜三時の間で、使用量は一億五千五百五十四万キロワットと、原発事故後で最も少なかった。全国の電力会社の供給余力を示す「予備率」も13・9%と最低必要とされる3%をはるかに上回った。

 電力会社別で減少幅を原発の基数で換算すると、十社のうち最も需要が大きい東電管内では原発八基分、中部電力が二基分、関西電力が五基分減った。政府は一一年夏から、七〜九月の「節電要請」を家庭や企業に求めていたが、一六年夏と今夏は見送った。

 今夏に稼働した原発は九州電力と四国電力、関西電力の計五基。こうした電力会社の管内でも電力需要は低下しており、太陽光発電などの増加で原発がなくても乗り切れる可能性がある。

 資源エネルギー庁は「(需要の低下は)家庭や企業で節電意識が定着し、省エネ技術も進んだ結果だろう」とみる。

<ピーク時の電力使用量> 電気は大量にためておくことができないため、電力会社は1年で最も需要が高くなる時に対応できるように、発電施設を整備し、供給計画を立てる。ピークの数値が出る季節は、北海道電力管内では暖房が必要な冬になるが、東京電力管内や全国平均ではエアコンの冷房を多用する夏になる。

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◆双葉郡に救済特例法案 人口9割減で選挙区消滅も

 東京電力福島第一原発事故で住民が避難を余儀なくされた福島県双葉郡は、二〇一九年の県議選で、選挙区が消滅する危機に陥っている。実際に住んでいる人を調べる国勢調査で、一五年の人口が一〇年調査に比べて九割も減少したことが理由だ。このままでは被災者の声が県政運営に反映できなくなるとして、福島県議会は与野党に対応を要望。自民党は議員立法で双葉郡の定数を維持する特例法案をまとめた。公明党や野党に賛同を求め、来年の通常国会で成立を目指す。

 双葉郡の八町村は一〇年の国勢調査で人口の合計が七万二千八百二十二人だった。しかし、一一年の東日本大震災と原発事故の影響で、一五年の国勢調査では八町村の人口は十分の一の七千三百三十三人に激減した。福島第一原発が立地する大熊、双葉両町と、富岡町、浪江町は、高い放射線量で「帰還困難区域」などに指定された地域があっただけに人口はゼロだった。

 県議選の選挙区定数は公職選挙法の規定で、直近の国勢調査の人口に基づき決まる。双葉郡選挙区は一九年の県議選で定数が現在の二から「ゼロ」になる。その場合は隣接する選挙区と自動的に「合区」される。福島県議会は五月、選挙区を維持する特例措置を与野党に要請した。

 双葉郡には住民票を地元に残し県内外に避難した住民が多い。住民基本台帳に基づく選挙人名簿登録者数は約五万五千人。この住民は県議選双葉郡選挙区に投票できる。特例法案には選挙区の定数を決める場合、一〇年調査の人口を基本に、住民基本台帳人口なども加味して計算できるようにする内容を盛り込んだ。法案をとりまとめた自民党の谷公一・元復興副大臣は「このままでは双葉郡を代表する県議がいなくなる。党派を超えて要望に応えたい」と話した。 (中根政人)

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