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【社会】

令状なくGPS捜査 最高裁「違法」判断後に初

 三重県警は二十六日、捜査三課の男性警部補(43)が、捜査対象者の乗用車に衛星利用測位システム(GPS)端末を取り付け、事件捜査をしていたと発表した。最高裁は三月、裁判所の令状を取らずにGPSを使う捜査手法は違法と判断したが、警部補はこれを知りながら違法捜査をしていた。最高裁の判断後、不適正なGPS捜査が発覚したのは全国で初めて。

 県警によると、警部補は暴力団幹部らによる連続高級車窃盗事件を担当。三重県四日市市の路上で四月ごろ、容疑者として行方を追っていた暴力団組員(50)が使用する車を発見し、底部にGPS端末を取り付けた。警部補は「最高裁判断は知っていたが、早く検挙したくてやってしまった。大変なことをして反省している」と話しているという。

 組員が十二月上旬、別の事件で他県警に逮捕された際、組員の関係者が、GPSが取り付けられていたことを申し出て発覚。捜査関係者によると、組員は早い段階でGPSに気付き、取り外したとみられる。警部補はスマートフォンで位置情報を確認していたが、捜査に生かせず、回収もできなかった。

 警部補は二〇一五年三月に捜査三課に着任後、端末を購入し「過去に数回使った」と話しているという。県警は「使用したのはあくまで個人で、組織として把握していなかった」と説明。警部補らの処分を検討している。

 県警の杉本幸孝刑事企画課長は「不適正な捜査が行われたことは誠に遺憾。迅速な調査を尽くし、この種の事案の根絶を期す」と述べた。

◆司法軽視の姿勢顕著 厳しく調査を

<ジャーナリストの大谷昭宏さんの話> 司法軽視の姿勢が著しい。GPSで効率的に捜査したい考えは分かるが、捜査上の理由で人権が制限されることがあってはならない。本当に警部補の単独判断だったのか。捜査現場にGPS利用を黙認する雰囲気がなかったかなどを、厳しく調査して結果を公表すべきだ。

<GPS捜査> 衛星利用測位システム(GPS)端末を捜査対象者の車に取り付けて位置情報を特定する捜査に関し、警察庁は2006年、連続窃盗や組織犯罪、誘拐などの事件を対象に追跡が困難な場合に実施できると通達した。事件の解決につながる一方、裁判所の令状を取得しなかったことの適否が争点となる裁判が相次いだ。最高裁は今年3月、令状なしでGPS端末を設置する捜査手法は違法との初判断を示した上で、現行法上の令状に基づく対応にも疑問を呈し、法整備を促した。

 

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