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【社会】

難病の子、家族ら写真集 「命に出会えたことの奇跡を伝えたい」

18トリソミーの長女、岸本心咲ちゃん(中)と父親の太一さん(左)、母親の美玲さん=東京都葛飾区で(川上智世撮影)

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 重い心臓、呼吸器疾患を伴うことの多い染色体異常症「18トリソミー」の子の親たちでつくるグループが、ネットで支援者を募り、写真集を出版する。18トリソミーは流産や死産が多く、生まれても短命とされるが、近年は自宅で医療的ケアを受けながら成長する子が増えてきた。グループは写真集に「命に出会えたことの奇跡を伝えたい」との思いを込める。 (奥野斐)

 企画したのは、東京都葛飾区の岸本太一さん(33)が代表を務める「Team18」。会員制交流サイト(SNS)で情報交換しながら、二〇〇八年から首都圏を中心に三十カ所以上で写真展を開催した。活動十年の節目に「18トリソミーの子や家族の現状、思いを広く発信したい」と、写真集を計画。二百九十六人の子とその家族が参加する。

 「新型出生前診断の対象になり、18トリソミーについて聞く機会が増えた一方で、重篤や不幸というイメージを持たれる。幸せな家族の生活もあると知ってほしかった」と岸本さん。写真集には亡くなった子を含め、家族ごとに写真と紹介文を載せる。

 長女心咲(みさき)ちゃん(6つ)が18トリソミーと知ったのは、妻美玲さん(39)が妊娠三十六週の時。医師には「亡くなるのを待ちましょう」と告げられた。特別支援学校の教諭として、障害児の成長を見てきた岸本さんは「産むことに迷いはなかった」が、医師の言葉はショックが大きかったという。

 心臓疾患などの合併症があり、生後八カ月まで入院し、三度の手術も経験。今は胃ろうで水分や栄養を取り、夜間に人工呼吸器を使うが、体調は安定している。週二回、保育所にも通い、来春から特別支援学校に入学予定だ。

 美玲さんは「ゆっくりだけど、日々成長している。産む前には想像できなかった、いいことがたくさんあった」。双子を含めた三人の妹たちに囲まれた心咲ちゃんを見て、目を細めた。

 ネット上で資金を募るクラウドファンディング(CF)による支援の募集は来年一月三十一日まで。写真集が付く五千円コースなどがある。詳細はCFサイト「Readyfor」で「18トリソミー」と検索。「Team18」のホームページでも案内している。

<18トリソミー> 18番染色体が通常より1本多く3本あるために、先天性心疾患や消化器系合併症などを伴う。1歳までの生存率は数年前まで1割前後とされたが、最近の研究では29%との数字もある。出生頻度は3500〜8500人に1人とされ、女児が多い。

 

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