東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

菊地元信者、無罪確定へ 上告棄却 オウム都庁爆弾事件

菊地直子元信者

写真

 オウム真理教による一九九五年の東京都庁小包爆弾事件で、殺人未遂ほう助罪に問われ、二審で逆転無罪となった元信者菊地直子被告(46)の上告審で、最高裁第一小法廷(池上政幸裁判長)は「罪を認定するには、合理的な説明が十分になされていない」として、検察側の上告を棄却した。菊地被告の全面無罪が確定する。決定は二十五日付で、五人の裁判官全員一致の意見。

 教団を巡る一連の事件で全面無罪は、信者監禁事件の男性に続いて二人目。残る刑事裁判は、被告と同様に長期逃亡の末、地下鉄サリン事件など四事件で殺人罪などに問われ、一、二審で無期懲役判決を受けた高橋克也被告(59)=上告中=の上告審のみとなる。

 菊地被告の裁判で最大の争点は、被告が爆薬の原料となる薬品を運んだことをもって「テロを手助けする認識があったといえるかどうか」だった。

 一審東京地裁の裁判員裁判は、事件当時、教祖の麻原彰晃(しょうこう)死刑囚(62)=本名松本智津夫(ちづお)=の逮捕阻止のために教団が何らかの活動をすることを、被告も認識していたなどとする事実関係から「人が殺傷される結果になることは推認できた」とした。

 これに対し、第一小法廷は、事実関係から導ける範囲は幅広く内容があいまいだとして「人が殺傷される結果を推認することは困難で、手助けする意思があったと認めるには飛躍がある」と判断した。

 一審判決は、教団元幹部の井上嘉浩死刑囚(47)の「(菊地)被告が運んだ薬品を使って製造した爆薬を見せた際、(被告が)『頑張ります』と応じた」などとする証言を支えに、事実関係からほう助の意思があったとして、懲役五年を言い渡した。

 二審東京高裁は証言の信用性を否定し、一審判決を破棄、無罪を言い渡した。第一小法廷は証言があってもなくても、事実関係からはほう助の意思があったと推認できないとした。

 菊地被告は、都庁事件直後、地下鉄サリン事件の殺人容疑で特別手配された。約十七年後の一二年六月に相模原市内で発見され、逮捕された。地下鉄事件などは不起訴となり、都庁の事件だけで起訴された。爆発物取締罰則違反ほう助罪については一審で無罪が確定している。最高裁決定に対し、検察側は二十八日までに異議申し立てができる。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報