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【社会】

のぞみ台車亀裂 指令員、点検要請聞き逃す

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 新幹線のぞみの異常を認識しながら運転を約三時間続け台車に破断寸前の亀裂が見つかった問題で、車両保守担当が新大阪駅での床下点検を要請したが、東京の指令員が聞き逃していたことが二十七日、分かった。現場社員と指令員の情報伝達がうまくいかなかった上、双方が危険を認識しつつ運転停止の判断を棚上げしていた状況が浮き彫りになった。JR西日本が記者会見で明らかにした。

 会見でJR西の来島(きじま)達夫社長は「指令員と保守担当が判断を相互に依存し、安全最優先に行動できなかった。乗客の命を預かっている以上、早く止める判断をすべきだった」と陳謝した。

 同社によると、岡山駅から三人の保守担当が乗車。うち一人が岡山−新神戸間で、指令員に電話で「安全をとって新大阪で床下(点検)をやろうか」と要請。だが指令員は、隣に座る指令長からの問い合わせに応じるため、受話器を耳から離していた。保守担当は要請が伝わったと思い込み、指令員が新大阪駅での点検に向け調整を進めると認識していた。

 さらに新神戸−新大阪間では、別の保守担当が「走行に異常がないとは言い切れない」とも伝達。しかし指令員は「保守担当は車両の専門家。本当に危険があり点検が必要であれば、はっきり伝えてくるはず」と思い、対応を取らなかった。

 来島社長は「これまでのリスク管理が不十分だった」と反省。ともに会見した吉江則彦副社長は「保安度の高い新幹線に過度な信頼があり、事故が起こりかねないという感度が低くなっていた」と述べた。

 

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