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【社会】

妊娠に「何やってるんだ」予定日まで仕事 議会 出産、育児当たり前に

子ども連れの参加者もいた女性地方議員らの会合=22日、豊島区役所で

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 結婚や出産、育児を当たり前にできる議会にしようと、各地の女性地方議員が自治体や党派を超えたネットワークづくりを進めている。地方議員のうち女性は一割強にすぎない。経験を聞ける先輩は少なく、孤軍奮闘して壁を乗り越えてきた。同じ悩みを共有し、自分たちに続く女性議員をもっと増やそうと、制度や周囲の意識改革を訴えている。(柏崎智子)

 二十二日夜、東京都豊島区内に、任期中に出産した経験のある地方議員約二十人が集まった。全国ネットワークを設立しようという永野裕子豊島区議らの呼び掛けに、首都圏のほか愛知、山形、熊本県などからも参加があり、これまでの苦労を打ち明け合った。

 議員には、法的な産休や育休の制度が適用されない。妊娠期や乳幼児を抱えている議員への対応は、各議会の慣習などにゆだねられる。

 呼び掛け人の一人、遊佐(ゆさ)美由紀宮城県議は「社会を変えるには制度を変えることが大切」と話し、永野区議も「個人の問題とせず、困っていることを発信していこう」と訴えた。

 まずは来年一月、女性議員を増やすための「政治分野における男女共同参画推進法案」の早期成立を各党に要請する。

 議会として協議を始めるところも。茨城県取手市議会は今月、「女性議員による議会改革特別委員会」を設置した。定数二四のうち、七人いる女性議員全員がメンバーとなり、半年間ほど議論。妊娠、子育てと議会活動との両立をしやすくするため、規則改正や条例化などを目指す。池田慈(めぐみ)委員長は「若い女性が議員を目指せるよう、体制を整えたい」と話している。

 また、若手女性地方議員でつくる「ウーマン・シフト」(代表・本目さよ台東区議)は、女性議員の経験と知恵を集めたハンドブック作りを計画している。

 本目さんは、初当選同期だった友人の女性議員が、次々と二期目の立候補を断念したことに衝撃を受けた。出産や子育てとの両立の厳しさも阻む要因と感じた。「ほかの議会で女性議員が困難をどう切り抜けたのかさまざまな事例を知っていれば、参考にしたり相談したりできる」と話す。インタビューやウェブアンケートなどで経験談を集める予定だ。

◆任期中に出産 72年間で140人

 ネットワーク結成を呼び掛けた永野さんは、全国約八百七十の地方議会に対し、議員の出産に関するアンケートを実施した。戦後女性が参政権を得てからの七十二年間で、任期中に出産した議員として把握されているのは、約百四十人。永野さんは「まだまだ少数の存在」と話す。

 アンケートは八〜十一月、都道府県議会と全市区議会のほか、東京都内は町村議会にも送り、全議会から回答があった。都外の町村議会は、女性議員が少ないことなどから対象外にした。調査結果によると、欠席できる理由として「出産」を規則に盛り込んでいない議会がまだ約一割あることも分かった。

 これから詳細な集計を進め、結果はネットワークの活動などに生かす。「一部の目立つ例だけでなく、本当に大変な思いをしていて声を上げられない議員の実情も把握し、全体を底上げする改善を目指したい」としている。

 

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