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【社会】

陛下、最後の行事続く一年 200年ぶり退位準備本格化へ

新年を迎えられる天皇ご一家=皇居・御所で(宮内庁提供)

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 天皇ご一家は一日、新年を迎えられた。二〇一九年四月三十日で退位する天皇陛下にとり、最後の行事が続く一年となる。宮内庁は儀式の準備や組織変更など、約二百年ぶりの退位による代替わりに向けた取り組みを本格化。政府も今月上旬、準備組織を設け、今年半ばにも新元号を発表する見通しだ。

 宮内庁は、陛下の公務の継承について前倒しを模索しつつ、広島や長崎といった国内での戦没者慰霊や被災地訪問など「平成流」とされる活動を、陛下の集大成として組み込めないか検討を続ける。十一月には秋篠宮家の長女眞子さまが結婚。慶事の一方、皇族減少は深刻化する。

 陛下の退位を実現する特例法は付帯決議で、皇族減少策として女性宮家の創設などの検討を盛り込んだ。しかし、結論を得る期限が明記されておらず、検討開始時期が退位後となっており、先行き不透明な状況が続く。

 昨年十二月の誕生日に合わせた記者会見で、陛下は「残された日々、象徴としての務めを果たしながら、次の時代への継承に向けた準備を関係する人々と共に行っていきたい」と語った。この言葉どおり、徐々に皇太子さまに公務を譲ってほしいと考える宮内庁幹部は多い。だが「どの務めも陛下には大切で、取捨選択は至難の業」と明かす。

 中でも最後の機会として陛下が臨むとみられるのが、終戦の日に開かれる全国戦没者追悼式。どのような言葉で平和を願うのか、注目される。

 毎年各地で開催される「全国植樹祭」(福島県)「国体」(福井県)「全国豊かな海づくり大会」(高知県)の三つの式典への出席は必ず出向く重要な公務で、いずれも最後となる。

◆各地訪問思い込め 両陛下の8首発表

 新年に当たり、天皇陛下は昨年に詠んだ歌のうち五首、皇后さまは三首を、宮内庁を通じて発表された。陛下の歌には、全国植樹祭、国体、全国豊かな海づくり大会の開催地へ贈った三首が含まれる。 (歌本文と振り仮名は原文のまま)

◆天皇陛下

 <第六十八回全国植樹祭>

無花粉のたてやますぎを植ゑにけり患ふ人のなきを願ひて

 <第七十二回国民体育大会開会式>

会場の緑の芝生色映えてえひめ国体の選手入り来る

 <第三十七回全国豊かな海づくり大会>

くろあはびあさりの稚貝(ちがひ)手渡しぬ漁(すなど)る人の上思ひつつ

 <ベトナム国訪問>

戦(いくさ)の日々人らはいかに過ごせしか思ひつつ訪(と)ふベトナムの国

 <タイ国前国王弔問>

亡き君のみたまの前に座りつつ睦(むつ)びし日々を思ひ出でけり

◆皇后さま

 <旅>

「父の国」と日本(につぽん)を語る人ら住む遠きベトナムを訪(おとな)ひ来たり

 <名>

野蒜(のびる)とふ愛(いと)しき地名あるを知る被災地なるを深く覚えむ

 <南の島々>

遠く来て島人(しまびと)と共に過ごしたる三日(みつか)ありしを君と愛(かな)しむ

 

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