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【社会】

勝手に仮想通貨「採掘」 不正サイト、四半期で12倍

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 個人のパソコンを乗っ取って仮想通貨を獲得できる「マイニング(採掘)」という作業を勝手にさせ、不正な「稼ぎ」に加担させるウイルスが日本国内で急増していることが分かった。情報セキュリティー会社トレンドマイクロによると、ウイルスを拡散する不正サイトは二〇一七年七〜九月に約千七百五十件と、四〜六月に比べて約十二倍になった。

 感染するとパソコンの動作が重くなったり、電池の消耗が早くなったりする。仮想通貨を不正送金するウイルスを送り込まれる恐れもある。

 セキュリティーソフトによる検出も大幅に増えている。ビットコインなど仮想通貨の相場が高騰する中、サイバー犯罪者が稼ぎの良さに目を付けたとみられる。

 犯罪者は正規のウェブサイトを改ざんして、閲覧者が不正サイトに知らないうちに誘導される細工をしている。不正サイトはソフトウエアの弱点(脆弱(ぜいじゃく)性)を悪用するため、見ただけでウイルスに感染する。

 仮想通貨は、取引内容の記録といった作業を、世界中の有志のコンピューターが共同でやっている。膨大な計算量が必要で、この作業に協力した人には新規発行分の通貨が「報酬」として与えられる仕組みがある。この作業は、金の採掘になぞらえてマイニングと呼ばれる。

 サイバー犯罪者は、この仕組みを悪用。他人のパソコンに仕事をさせて、得られた利益を独り占めする形だ。ビットコインの採掘は競争が厳しくなっているため「モネロ」など比較的新しい仮想通貨を狙う攻撃にシフトしてきているという。

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 家庭内のウェブカメラやゲーム機など、ネットにつながる「IoT機器」がウイルスに感染し、採掘作業に参加させられていた例も確認。海外ではスマートフォンに作業をさせる不正アプリも見つかっている。

 トレンドマイクロの岡本勝之氏は「仮想通貨の値上がりが続けば続くほど実入りがよくなるため攻撃は続くだろう」と指摘。利用している基本ソフトなどを最新版に更新するといった対策を呼び掛けている。

<仮想通貨> インターネットを通じて商品の購入や送金に利用できる通貨で「ビットコイン」や「イーサリアム」が代表格。中央銀行のような発行や流通の管理者がいないのが特徴で、専門の取引所を介して円やドルといった通貨と交換できる。新しい通貨が続々と登場し、既に1000種類以上あるとされる。ビットコインの価格は2017年12月に年初から一時20倍超の上昇となったが、その後急落する場面もあった。投機マネーの流入で激しい値動きが続いている。

 

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