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【社会】

ケヤキ並木 いつまでも 国の天然記念物「馬場大門」景観守る

大小のケヤキが並ぶ「馬場大門のケヤキ並木」。一部は幹の空洞化が進んでいる=東京都府中市で

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 空に向かって真っすぐ伸びるケヤキ並木をいつまでも−。国の天然記念物に指定されている東京都府中市の「馬場大門(ばばだいもん)のケヤキ並木」の景観を保とうと、同市と近くの都立農業高校が苗木の育成に挑もうとしている。見た目をそろえるために並木の古木の種から育て、枯れたケヤキが出たら代わりに植えようという息の長い計画だ。 (服部展和)

 昨年十二月一日、馬場大門のケヤキ並木で同高造園部の生徒らが根元に落ちた種を拾い集めた。種の採取は十月に始め、計七回で集まったのは二千個以上。部長の三年吉田一哉さん(17)は「美しい並木の風景をずっと楽しめるように大切に育てたい」と力を込めた。

 生徒たちは、春に学校などで種をまき、二〜三年かけて育てる。高さ一・五〜二メートルまで成長すれば、苗木として使えるようになるという。

 市によると、並木にはイヌシデなど他種を含めて百三十四本の樹木があり、うちケヤキは百二十本。天然記念物に指定された大正末期、ケヤキは約六十本だったが、その後の植樹で数が増えた。この並木のケヤキは枝を横に張らずに真っすぐ伸びる特徴があり、独特の景観をつくっているという。

ケヤキの種を拾う都立農業高校の生徒たち。

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 近年は樹齢を重ね、開発による環境悪化もあって、幹に空洞ができるなど生育状態の悪いケヤキが散見されるようになった。かつては幹周りが十メートル超の大木もあったが既に枯れ、十年前には幹周り六メートル超の古木が枯死した。

 市の教育委員会が二〇〇八年に並木の保護管理計画をまとめ、枯れた木を切ったり下草を除去したりして環境改善を図っている。同高と一昨年、「景観を維持するために古木の種から育てよう」と新たな試みで協力することで一致していた。

 造園部準顧問の田口喜朗さん(50)は「うまく育てられるか手探りだが、生徒と協力して成功させたい」、市の担当者は「将来は市民も種拾いや苗木育成に参加できるようにしたい」と夢を広げている。

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<馬場大門のケヤキ並木> ケヤキ並木としては唯一の国指定天然記念物。1924(大正13)年に指定された。大國魂(おおくにたま)神社の参道にあたり、京王線府中駅の西側を通る市道両脇に、南北約600メートルの区間に大小のケヤキが並ぶ。起源は諸説あり、平安時代の1062年、源頼義、義家親子が前九年の役での戦勝祝いに1000本を寄進したとの伝説が知られるが、資料で確認できるのは江戸時代になってから。

 

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