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【社会】

犯行日時・場所 検察変更 栃木女児殺害控訴審 立証困難と判断か

 二〇〇五年の栃木県今市市(現日光市)の小一女児殺害事件で殺人などの罪に問われ、一審で無期懲役の判決を受けた勝又拓哉被告(35)の控訴審で、東京高検が十日、殺害場所と日時について、従来より主張に幅を持たせる訴因変更を東京高裁(藤井敏明裁判長)に請求したことが、関係者への取材で分かった。

 控訴審で殺害場所と日時は、勝又被告の自白の信用性に関わる重要な争点の一つ。高検はこれまでの審理経過を踏まえ、殺害場所や日時を詳細に特定して立証することは困難と判断したとみられる。

 これまでの公判で、検察側証人の大学教授は「遺体の状況と矛盾しない」と指摘。弁護側証人の大学教授が現場の状況について「自白した殺害方法と合致しない」と述べ、見解が分かれていた。藤井裁判長は昨年十二月二十一日の前回公判で、検察側に対し、殺害場所と日時の主張を変更する考えがないか明らかにするよう求めていた。

 関係者によると、高検は殺害場所の主張について、遺体が発見された近くの「茨城県常陸大宮市の林道」から「栃木県か茨城県内とその周辺」に変更。日時についても「〇五年十二月二日午前四時ごろ」から、女児の行方が分からなくなった「十二月一日午後二時三十八分ごろから二日午前四時ごろまでの間」に広げた。

 勝又被告は捜査段階で殺害を認め、殺害場所と日時についても自白。一審宇都宮地裁の公判では否認したが、一審判決は「客観的事実のみから被告の犯人性を認定できない」としつつ、「自白内容には犯人でなければ語れない具体性と迫真性がある」とし、殺害場所、日時も従来の検察の主張通りに認めた。

 弁護側は今回の主張の変更について「殺害場所と日時について主張を変更したことで、自白の骨格は崩れた。そもそも殺害を認めた自白全体の信用性が問われる内容だ」と指摘。控訴審では「自白は誘導されたもので信用できない」とし、無罪を主張している。

 

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