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【社会】

ご当地アイドルにパワハラ 「飲酒強要やセクハラ」

 水戸市を中心に活動する女性アイドルグループ「水戸ご当地アイドル(仮)」の元メンバーの女性(18)が、運営責任者の男性から深夜に呼び出され、飲酒させられるなどのパワハラ被害を訴えていることが分かった。女性は「セクハラもあった」とする。男性は事実関係を一部認め、女性に謝罪。グループは水戸市などから広報活動の委嘱を受けるが、先月から活動を休止している。 (越田普之)

 グループは東日本大震災後、市を元気づけようと結成。茨城県警から「安全安心アンバサダー」を委嘱され、市の「魅力宣伝部長」にも就任。メンバーは五人前後で入れ替わり、大手芸能プロダクションの大会で「ご当地アイドル日本一」に輝いたこともあった。

 被害を公表したのは二〇一六年六月〜一七年十一月に活動した「うめ」さん。ツイッターで「運営責任者からパワハラやセクハラ、飲酒の強要、口約束されていた交通費の未払いがあった」とつぶやいた。

 うめさんによると、十七歳だった一六年十一月、早朝のイベントを翌日に控え、市内で宿泊した際、男性から深夜零時ごろにバーに呼び出され、酒も注文された。「断ったが、ホテルを取ってもらった負い目もあって飲んだ」と話す。

 県の条例で、十八歳未満について「正当な理由がなく、保護者の承認を受けないで深夜(午後十一時〜午前四時)に連れ出してはならない」と規定、違反は三十万円以下の罰金となる。

 また、イベント後に過呼吸で倒れた際、担いだ男性に胸を触られ、後日に「柔らかかった」などと言われたという。さらに「練習場所に、わいせつな本が置かれたことがあった」と主張した。

 男性側は取材に、飲酒は「強要した覚えはない」と否定する一方、県条例違反の可能性があることや結果的に飲ませた責任を認め、「深く反省している」と話した。胸を触った後の発言に「『柔らかかった』と言ったかどうかは覚えていない」と説明。わいせつ本は「知人の見舞いに持って行く物だった」とした。

◆逆らえず…限界 元メンバー(18)ツイッターで告白

 水戸市のご当地アイドルグループの元メンバー「うめ」さんが、ツイッターでパワハラなどの被害を告白したのは「同じような被害を出さない」との思いからだった。夢を追いたい女性が、売り込みなどで力を握る運営側に逆らえない構図が浮かび上がる。

 うめさんによると、嫌がらせを耐えたのは「ファンへの思いや、県や市を背負っている責任感があった」と話す。円満に「卒業」するつもりでいたが、希望した卒業コンサートを開かせてもらえず、我慢の限界を超えた。

 今回の告白をきっかけにグループの活動がストップし、一部ファンから批判されている。「被害者を増やしてはいけないという思いがあった。今のままでは、市や県の魅力を発信していくのにふさわしくない」

 芸能界のトラブルに詳しい河西邦剛(かさいくにたか)弁護士は「アイドル人口が増え、トラブルも増えている。アイドルとしていいポジションに上がるには、運営側に気に入られなければならず、メンバーは理不尽なセクハラなどを受忍せざるを得ないケースが多い」と説明する。

 その上で「今回、ツイッターで運営を批判したのは、それだけひどい実態を訴えたかったということだろう。行政も適切な運営がなされてきたか、調査すべきだった」と指摘する。

 立場の弱い女性が「MeToo(私も)」を合言葉に、会員制交流サイト(SNS)などを通じて被害を公表する動きが世界中で続く。昨年十月、米国の大物映画プロデューサーによるセクハラ疑惑が報じられたのをきっかけに、映画や番組で役を得たい女優らがセクハラを我慢している状況が明らかになった。

 

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