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【社会】

新潟 430人乗せ立ち往生 大雪の電車内、立ったまま一夜

電車から降り、線路伝いに避難する乗客=同日午前8時13分、新潟県三条市で

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 十一日午後六時五十五分ごろ、新潟県三条市のJR信越線東光寺−帯織(おびおり)間の踏切で、新潟発長岡行き普通電車(四両編成)が積雪のため動けなくなり、乗客約四百三十人が車内に閉じ込められた。乗客は車内で一夜を明かし、電車は線路の除雪作業が終わった十二日午前十時半ごろ、約十五時間半ぶりに運転を再開した。

 消防によると、乗客のうち四十代男性と十〜二十代の女性四人の計五人が「気分が悪い」などと体調不良を訴え、男性が病院に搬送された。この影響で信越線羽生田(はにゅうだ)駅でも、後続の上り特急電車と普通電車が停止。乗客計約四百人が車内に一時残され、JR東日本がバスを手配し代替輸送した。東三条駅と見附駅でも客を乗せたまま後続電車が止まった。

 石井啓一国土交通相は十二日、乗客の救助や運転再開に時間を要したことを検証するようJRに指示したと明らかにした。JR東は「県内全域で降雪量が多く、除雪車の手配も含めて作業に時間がかかった」としている。

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 JRによると、信越線は雪で遅れや運休が相次ぎ、乗客が集中していた。立ち往生した電車にはトイレがあり、停電せず車内灯や暖房も動いていた。同社は乗客を降ろさず「暗い中、外は雪が積もっており、安全を優先した」と説明。バスやタクシーによる代替輸送は見送った。

 現場の踏切は東光寺駅から約三百メートル。午前四時ごろには、家族が車で迎えに来るなどした一部の乗客が降り、線路伝いに避難した。

 三条市によると、十一日午後七時の同市の積雪は七七センチだった。

◆疲れ切った乗客 席譲り合う姿も

 動きだす気配のない電車に、乗客の疲労や帰りを待つ家族の怒りはピークに達した。大雪のため、十一日夜から十二日にかけて新潟県内で一晩中立ち往生したJR信越線の普通電車。混雑する車内では乗客が席を譲り合う姿も。「すごく眠い」。一夜を明かした乗客らは疲れ切った表情を見せた。

 十二日未明になって、家族らの迎えが来た乗客が順次、運転席のドアから避難したが、大半は十時間以上車内で過ごした。JR東日本の職員が「気を付けて降りてください」と声を掛けた。

 先頭車両にいた専門学校生の男性(20)によると、電車が止まった際に「雪かきをして動くか試験する」と放送が流れた。いったんはがくんと動いたがすぐに止まり、その後は全く動かなくなった。席を譲られるお年寄りもいたが、男性はずっと立ちっぱなしだったといい「目を閉じて時間が過ぎるのを待った。とにかく疲れた」と話した。

 同県長岡市の高校三年栗林美豊(みほ)さん(17)は友人二人と乗っていた。日付が変わった頃から、疲れた人に席を譲り合う光景が目立ち始めた。栗林さんら三人も二人分の席に代わる代わる座り、他の人にも譲った。トイレは男女共用で一カ所しかなく、行列ができた。何十分も待っている人もおり、トイレットペーパーがなくなった。JR東からペットボトルの水と栄養補給食品が配られたが、トイレに行かなくて済むよう水分を取らずに過ごした。

 電車が止まった三条市の踏切付近には乗客の家族らが駆け付けた。高校三年の娘を迎えに来た男性会社員(50)は「明日はセンター試験なので、一刻も早く休ませてあげたい。動く動くと言いながら全然動かないし、JRの対応はちょっとおかしいんじゃないか」と憤った。

 

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