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【社会】

新潟、電車立ち往生 運転中止の機会逃す

運転を再開したJR信越線の車両(左奥)から降り、改札へ向かう乗客ら=12日、新潟県見附市の見附駅で

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 新潟県三条市のJR信越線で十一日夜、電車が大雪のため立ち往生し、乗客が一晩中車内に閉じ込められた。それまでにも一時停車を繰り返し、途中駅で運転を取りやめるチャンスはあったのに、なぜ雪の中へ突き進んで行ったのか。JR東日本新潟支社は「遅れが出ても走らせたいとの思いがあった」と釈明した。

 新潟支社によると、信越線は十一日、降雪のため特急列車も含めて上下計三十本が運休した。ダイヤは大きく乱れ、立ち往生した電車は、普段より多い約四百三十人の乗客を乗せて定刻から一時間十八分遅れの午後四時二十五分ごろに新潟駅を出発した。

 五時四十六分ごろ、保内駅(三条市)手前で、パンタグラフに雪が積もって電車に電気が流れずに停車。復旧して運転再開したのは六時十四分だった。

 保内駅の次の東三条駅を出てからは、積雪で何度も停止し、そのたびに乗務員が雪かきをして発車するという繰り返し。東光寺駅を出て約三百メートルの地点で止まった際、雪かきを試みても電車はわずかに動いただけで、ついに立ち往生を余儀なくされた。座席の少ない通勤電車だったこともあり、多くの乗客が長時間、立ったまま一夜を過ごす事態に。乗客から「手前の駅で止めておけば良かったのに」と批判の声が上がった。

 三条市では十一日夕から夜にかけて一時間当たり八〜九センチの雪が積もり、積雪は最大約八〇センチに達した。立ち往生した電車の先頭には排雪板がついているが、かき分けられる量を上回っていたとみられる。

 こうした場合に備え、除雪車が各地に配備されているが現場付近に待機しておらず、到着が遅れたことが十五時間以上に及ぶ立ち往生の最大の要因となった。

 新潟県は豪雪地帯だが、現場は平野部で電車が立ち往生するような積雪は珍しい。それでも交通技術ライターの川辺謙一さんは「高い乗車率の電車が止まったらどうなるのかを考え、運行を見合わせるべきだった」と指摘。国土交通省の職員も「JRは雪が激しく降ることは分かっていたはず。早めに止めることもあり得たのでは」と話す。

 高速で走る新幹線は雪対策が進んでいる。近くを走る上越新幹線では雪を溶かすスプリンクラーが設置されており、十一日も平常通りの運行だった。一方、在来線は、レールが分かれるポイントなどに熱で雪を溶かす装置を付けている場所もあるが、多くは除雪車を走らせるしかない。

 記者会見した新潟支社の担当者は「常に安全は最優先だが、到着するのも使命で、仮に遅れが出ても走らせたいとの思いもあった」と弁明。「除雪で何とかと思ったが時間がかかった。今後の教訓にしないといけない」と反省を語った。

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