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【社会】

軽井沢・バス転落2年 悲しみ今も癒えず 尾木さん「事故終わっていない」

軽井沢スキーバス転落事故から2年を前に献花台で手を合わせる尾木直樹さん=14日、長野県軽井沢町で

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 大学生ら十五人が死亡した長野県軽井沢町のスキーツアーバス転落事故から十五日で二年となった。遺族や犠牲になった大学生の関係者が十四日、国道18号碓氷バイパスの現場で、法要を営んだり献花したりして、若くして命を奪われた学生らの冥福を祈った。

 教え子四人を亡くした法政大特任教授で教育評論家の尾木直樹さん(71)も現場を訪れ、花を手向けた。尾木さんのゼミの学生十人が事故に巻き込まれた。一命を取り留めた六人も重傷を負い、就職が遅れたり、今も手術を受けていたりする。尾木さんは「事故はまだ全然終わってない。なぜ自分が助かったんだろうとの思いにとらわれている学生が何人かいる」と話し、今も事故が影を落としていると明かした。

 犠牲者の保護者とも交流を続け、卒業論文やリポートをまとめた冊子やゼミ生の写真アルバムを作って配った。「両親の悲しみは深くなっている一方で、わが子の死を少しずつ受け入れているのかなと感じた」と語る。

 事故を受け、国はバス運行会社に対する監視を強化するなど再発防止策を進めている。尾木さんは「枠組みは整備されたと評価したいが、実体を伴わなければ絵に描いた餅。実のある施策を打ってほしい」と要望した。

 現場には、事故で友人を失い、自身も負傷した首都大学東京の男子学生四人とその母親三人も訪れた。母親の一人は「息子は何度も手術を繰り返し、助かって良かったと心から言えない時期もあった。二度と同じような事故が起こらないような対策を取ってほしい」と訴えた。

<軽井沢スキーバス転落事故> 2016年1月15日未明、長野県軽井沢町の国道18号碓氷バイパスでスキーツアーの大型バスが道路脇に転落。大学生13人と運転手2人の計15人が死亡、26人が重軽傷を負った。運転ミスが原因とみられる。運行した「イーエスピー」は14年に貸し切りバス事業に参入したばかりで、多数の法令違反が発覚。監査の在り方も含め、国の安全対策が不十分だったことが浮き彫りとなった。

 

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