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【社会】

鴎外、書簡見つかる 妹宛ての封筒は花柄

森鴎外が妹に宛てた書簡(新潮社提供)

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 文豪森鴎外が妹の小金井喜美子に宛てた、全集未収録の書簡1通が見つかったことが分かった。喜美子の孫で、1997年に亡くなった作家星新一さんの遺品を整理する中で発見されたという。

 書簡は鴎外の晩年に当たる20年1月20日付で「美(うるわ)しき座蒲団(ざぶとん)一枚」を内祝いとして贈られたことへの礼がつづられている。通常は内祝いを受け取らなかったが、座布団は「入用品」だったと感謝。いかめしい漢文体の一方で花柄の封筒が使われており、妹思いだった文豪の意外な側面がうかがえる。

 18歳まで喜美子と同居していた星さん。鴎外の影響で和歌を詠んでいた喜美子が、作った歌を部屋で口に出して推敲(すいこう)しているのを何度も耳にしたといい、後年の随筆に「私が文章を書くようになったのは、祖母の声を聞きながら眠ったことに、いくらか原因があるかもしれない」と書き残している。喜美子の蔵書を通して鴎外作品にも触れ、影響を受けたという。

 星さんの次女マリナさん(54)は、鴎外によって鍛えられた喜美子の文章は「新一にも受け継がれていったのではないでしょうか」としている。

 書簡は、作家の最相葉月さん(54)が評伝「星新一 一〇〇一話をつくった人」(新潮社)を執筆する際の取材で見つけた。喜美子の和歌や関係する随筆などと共に、1月末に刊行される「泡沫(みなわ)の歌 森鴎外と星新一をつなぐひと」(同)に掲載される。マリナさんが編者を務めた。

 本は全国の書店のほか、新潮社から直接買うこともできる。問い合わせは同社読者係、フリーダイヤル(0120)468465。

 

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