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【社会】

滞在施設 必要人数の1/3 「首都直下」都の帰宅困難者対策進まず

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 首都直下地震などで、自宅などに帰れない東京都内の帰宅困難者を一時的に受け入れる公共施設や民間施設の収容人数は、昨年七月時点で必要人数の三分の一にとどまっている。震災時の備えが十分に進んでおらず、都は大学に働きかけるなど、帰宅困難者対策をさらに強化する方針だ。

 都によると、首都直下地震時に、都内では五百十七万人の帰宅困難者が出ると推定。このうち九十二万人は、通学している学校や勤務している会社などの関係先が近場になく、行き場を失う可能性がある。

 一方、三日間の食料や水、毛布などを用意する一時滞在施設は、都内で九百十八カ所三十二万八千人分。行き場がないと想定される人数の35%にとどまっている。都は二〇一三年度から、帰宅困難者用の備蓄品などを備える企業に費用の六分の五を補助する事業を実施し、本年度は四億二千七百万円を計上したが、まだまだ足りない状況だ。

 東京商工会議所が一六年に実施した調査によると、進まない要因として、受け入れスペースがないことや、一時滞在施設を運営する人員が確保できないこと、備蓄品の購入費用がかかることなどが挙がった。

 余震でけが人が出た際、損害賠償責任を負うリスクに二の足を踏む企業も多いという。帰宅困難者が殺到することを恐れ、どの施設が一時滞在施設なのか、事前公表を控える企業もあり、万が一の場合、混乱する可能性もある。

 帰宅困難者対策を強化するため、都は昨年九月、有識者らによる検討会議を設置。大学に働きかけるなどの案が出ており、三月までに報告書をまとめる方針だ。都の担当者は「一時滞在施設が足りないのは事実。引き続き呼び掛けていく」と説明する。 (木原育子)

 

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