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【社会】

刑法犯最少91万5000件 昨年認知件数 窃盗が大幅減

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 昨年一年間に全国の警察が認知した刑法犯は九十一万五千百十一件で、戦後初めて百万件を下回った前年を八万千九件(8・1%)下回ったことが、警察庁のまとめ(暫定値)で分かった。認知件数の七割超を占める窃盗犯の減少が総数を押し下げた。その半面、電子マネーなどをだまし取るニセ電話詐欺の増加が際立った。 (石川修巳)

 人口千人当たりの認知件数は、前年より〇・六件少ない七・二件。警察庁の担当者は「官民一体で取り組んでいる犯罪抑止活動のほか、住宅や乗用車に対する防犯の向上、警察官増員効果も大きい」とみている。

 罪種別にみると、窃盗犯は前年より六万七千六百七件(9・3%)少ない六十五万五千五百四十一件。過去五年間で33%減り、総数の減少に寄与した。

 逆に詐欺は四万二千五百七十五件で、前年より3・9%増えた。ニセ電話詐欺の手口のうち、特に有料サイトの閲覧料金未納などを名目にした架空請求が、前年の一・五倍の五千七百五十六件となった。

 凶悪犯では、未遂を含む殺人が2・8%増の九百二十件、昨年七月に施行された刑法改正で強姦(ごうかん)から罪名を変更し、構成要件を広げた強制性交が千百十一件あり、前年より12・3%増えた。

 都道府県別では、東京の認知件数が十二万五千二百五十八件(前年比7%減)で最多で、大阪の十万七千三十二件(12・4%減)、愛知の六万五千五百十一件(6・8%減)が続いた。

 一方、刑法犯の摘発率は35・7%で、前年比1・9ポイント増。このうち殺人や強制性交、略取誘拐などの重要犯罪に対する摘発率は3・7ポイント増の80・3%で、一九九八年以来十九年ぶりに八割を超えた。

◆ネット悪用の手口急増

 二〇一七年の刑法犯認知件数が過去最少となった一方で、会員制交流サイト(SNS)やショートメールといったインターネットを悪用したとみられる手口の詐欺などについては一部で急増傾向にある。警察庁の担当者は「互いの顔が見えない手段の場合は、被害に遭わないよう注意が必要」と呼び掛けている。

 警察庁によると、ニセ電話詐欺の手口のうち、特に有料サイトの閲覧料金未納などを名目にした架空請求の認知件数は五千七百五十六件で、一三年と比べて約三・八倍に増加。息子らを装って高齢者から金をだまし取る「おれおれ詐欺」や、代金を受け取りながら商品を渡さない「売り付け詐欺」に比べて突出した傾向となっている。

 架空請求詐欺は主に、携帯電話やスマートフォンなどに「アダルトサイトの利用料が未納」といったメールを一方的に送り付け、内容を信じた被害者に金を振り込ませる手口。最近はコンビニなどで買えるプリペイドカード式の電子マネーで支払わせることが多い。

 重要犯罪では、殺人や放火などの認知件数がほぼ横ばいに推移する中、略取誘拐・人身売買は右肩上がりに増加。昨年は二百三十九件となり、一三年と比べると約一・三倍になった。被害者の多くは少女で、小学生が五十件、中学生が四十件、高校生が四十二件だった。

 こうした誘拐などの中には、家出した少女らが滞在先を求めてSNSを利用し、知り合った男のもとを訪ねる例もあり、警察庁の担当者は「知らない人のところに行くのは非常に危険。安易について行かないようにしてほしい」としている。

<刑法犯> 刑法や爆発物取締罰則、暴力行為処罰法などの法律に規定された犯罪の総称。殺人、強盗、放火、強制性交、略取誘拐・人身売買、強制わいせつの6犯罪を重要犯罪と位置付け、特に摘発に力を入れている。窃盗犯のうち、侵入盗や自動車盗、ひったくり、すりの4犯罪は重要窃盗犯としている。刑法犯の認知件数は1996年から2002年には戦後最悪の更新が続いたことから、警察官の増員や防犯カメラの増設など官民一体となった防犯対策が強化され、03年以降は一貫して減少が続いている。

 

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