東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

機密費一部開示認める 最高裁初判断 毎月の支払額など

写真

 市民団体のメンバーが内閣官房報償費(機密費)に関連する行政文書の開示を国に求めた三件の訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(山本庸幸(つねゆき)裁判長)は十九日、月ごとの支払額などが記された部分の開示を認める初判断を示した。三人の裁判官全員一致の意見。支払先や具体的使途は非開示としたが、これまで秘匿されてきた機密費運用の一端が明らかになる。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で「政府として重く受け止める。内容を十分精査した上で適切に対応したい」と述べた。

 情報公開法は、公表すれば国の事務遂行に支障が出たり、他国との信頼関係が損なわれたりする情報の非開示を例外的に認めている。訴訟の争点は、機密費文書がこれに当たるかどうかだった。

 第二小法廷は、国の重要政策に関する非公式な交渉に使われる機密費の特性を踏まえ、時々の政治情勢や政策課題と照合すれば支払先や具体的使途の特定につながる部分は開示できないと指摘。

写真

 一方、機密費全体の月ごとの支出額や、官房長官が自ら管理する「政策推進費」への繰入額を記した部分などは「支払い相手や具体的使途を相当程度確実に特定することは困難だ」として開示を認めた。

 市民団体は、官房長官が(1)安倍晋三氏だった二〇〇五〜〇六年に支出された約十一億円(一次訴訟)(2)河村建夫氏だった〇九年九月の二億五千万円(二次訴訟)(3)菅義偉氏だった一三年の約十三億六千万円(三次訴訟)−を対象に情報公開を請求。いずれも不開示とされたため提訴した。

 三つの訴訟の一審大阪地裁判決は、支払先や具体的使途が明記されていない文書の不開示処分を取り消し、一、二次訴訟の大阪高裁判決もこれを支持した。

 一方、三次訴訟の大阪高裁判決は「支払先の特定が可能になる場合がある」として、ほぼ全面不開示とした。市民団体と国の双方が三件とも上告した。最高裁判決は、三次訴訟よりは開示範囲を広げ、一、二次訴訟よりは狭めた。

<官房機密費> 正式名称は内閣官房報償費。国の事業を円滑に遂行するため機動的に使用する経費とされ、官房長官の判断で支出される。重要政策の関係者に非公式に協力を得るための「政策推進費」や、情報提供の対価として支払う「調査情報対策費」などに分類される。支出方法や目的を定めた法令はなく、具体的な使途は公開されていない。過去には、野党工作や国会議員の外遊費などに支出されたとの証言もある。内閣情報調査室の経費を含め年間14億円余りの予算が計上されている。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報