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【社会】

デブリか 下部に堆積物 福島2号機の格納容器内

福島第一原発2号機の格納容器下部で撮影されたデブリらしき物体。L字形のものは、核燃料上部の取っ手とみられる=国際廃炉研究開発機構提供

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 東京電力は十九日、福島第一原発2号機の格納容器内を調査し、容器下部に溶け落ちた核燃料(デブリ)の可能性が高い堆積物が見つかったと発表した。

 この日は早朝から、長さ約十三メートルのカメラ付きパイプを格納容器の横側から差し込み、圧力容器直下にある格子状の作業用足場の脱落部分から、カメラや線量計、温度計を備えた機器をケーブルでつり下ろした。

 その結果、格納容器の下部に広く小石状の物体が積もっていることが確認された。核燃料の取っ手らしきL字形の金属片も見つかった。

 デブリの高熱で圧力容器の底に大きな穴があいて落下したとみられる。

 昨年一月の前回調査では圧力容器直下を撮影し、過熱したデブリが流れ落ちたような痕跡や、黒っぽい堆積物を多数確認した。

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 今回はパイプの長さを、前回より約一・三メートル延長し、カメラなどの機器もつり下げ式にし、広範囲に調査できるよう改良した。

 3号機では、昨年七月に水中ロボットを使った炉内調査で、格納容器下部の各所にデブリらしき物体がたまっているのを確認した。

◆一歩前進でも廃炉は遠く

<解説> 福島第一原発2号機の原子炉内の状況がまた少し解明されたことは、廃炉作業が一歩前進したことを意味する。ただし炉内は人間が近寄れば数分で死亡するおびただしい放射線に満たされている。貴重な一歩であることは確かだが、廃炉への道はまだ遠くかすむ。

 政府・東電は、無理に格納容器に遮蔽(しゃへい)用の水を張らず、今回カメラを入れたように、炉の横側から機器を入れて溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出す方向で検討を進めている。

 ただしデブリは、損傷しているとはいえ一定の遮蔽力、密閉力が残る炉内にとどまっている。

 作業員の大量被ばくや放射性物質の漏れといったリスクを冒してまで、デブリを取り出すのが良いのか。当面は厳重に管理する方が得策ではないのか。そもそも取り出す方法を見いだせるのか−。

 現時点では答えは見つかっておらず、廃炉に関わる当事者間でも議論が分かれている。

 デブリ取り出しは、米スリーマイル島原発事故(一九七九年)の経験があるとはいえ、事故の深刻度は福島事故とは比べものにならないほど小さい。福島では一つ一つ、正しい判断材料を集めていくしかない。 (山川剛史)

 

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