東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

元職員 殺害3件全面否認 川崎・老人ホーム転落死初公判

初公判で弁護側の冒頭陳述を聞く今井隼人被告(イラストと構成・勝山展年)

写真

 川崎市幸区の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」(現そんぽの家川崎幸町)で二〇一四年、入所者の男女三人をベランダから転落させて殺害したとして、三件の殺人罪に問われた元職員今井隼人(はやと)被告(25)の裁判員裁判の初公判が二十三日、横浜地裁(渡辺英敬裁判長)で開かれた。今井被告は三件とも起訴内容を否認し、「いずれの事実についても何もやっていません」と無罪を主張した。

 検察側は冒頭陳述で、死亡した三人は自力でベランダを乗り越える身体的能力はなく、殺害できたのは三人が転落死した日に勤務していた今井被告だけだと主張。その上で、十一月に丑沢(うしざわ)民雄さん=当時(87)=が転落死した後、十二月に転落死する仲川智恵子さん=同(86)=と浅見布子(のぶこ)さん=同(96)=について同僚に「次に飛び降りる」などと発言したり、「自分は死に神かもしれない」と語ったりしていたと明かした。

 また、今井被告が一六年二月に殺人容疑で逮捕される約一週間前、県警の任意の事情聴取に「三人から依頼を受けて投げ落とした」と初めて関与を認めたと主張。さらに、母親に電話して「ストレスが爆発し、自ら転落させた」と動機も語っていたとした。

 これに対し弁護側は冒頭陳述で、死亡した三人は施設内を徘徊(はいかい)したり自殺をほのめかしたりしており、事故や自殺の可能性は否定できないと主張。「取り調べに当たった警察官から『事実を話すまで帰れない』『母や妹をマスコミから守る』と言われ、虚偽の自白をした」とした。また今井被告は発達障害のため、仮に今井被告の犯行だとしても完全な責任能力はないとも述べた。

 公判はほぼ週四回のペースで計二十三回開かれ、三月一日に結審し、三月中に判決が言い渡される見通し。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報