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【社会】

退場者再傍聴に誓約書 都議会 運用変更、公表せず

退場後の再傍聴に必要な「誓約書」

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 東京都議会で議場から退場を命じられた傍聴人が再び傍聴する際、氏名や住所を記した誓約書を提出することになった。都議会が傍聴規則の運用を変えたためで、都議会はこの変更を公表していない。衆参両院や関東六県の県議会では、誓約書を求めているところはなく、識者は「傍聴の制限につながる内容で非公表はおかしい」と指摘している。 (榊原智康、唐沢裕亮、木原育子)

 誓約書は、順守する事項として(1)拍手などで言論への可否を表明しない(2)騒ぎ立てるなど議事を妨害しない(3)傍聴規則に違反する行為をしない(4)誓約に反した場合、次回以降の傍聴が制限されても異議はない−の四項目を約束する内容。

 都議会局によると、誓約書の提出を拒んだり、提出した上で再び議事を妨害したりした場合、議長が一定期間、傍聴を認めないことができるとした。二月下旬に始まる都議会定例会から適用する見通し。

 決まったのは昨年十二月十四日の議会運営委員会理事会。都民ファーストの会出身の尾崎大介議長が発案し、都民ファースト、公明、自民、共産の四会派の委員と、オブザーバーの民進党・立憲民主党、かがやけTokyoの二会派の代表者が出席。全員が了承した。理事会は非公開だった。

 尾崎議長は、変更の理由について「議場で騒ぐ人が常習化しており、円滑に議事を進めるために厳しい対応を取る必要があった」と説明。非公表の理由については「規則を変えるわけではなく、運用の変更なので」と話した。

 都議会では昨年十二月の定例会本会議で、小池百合子知事を批判するやじを飛ばした傍聴者に、尾崎議長が退場を命じたケースが三回あった。九〜十月の定例会でも一回退場させた。

 本紙の取材では、関東六県の県議会で誓約書の提出を求めているところはない。衆院は退場を命じられると当分の間、傍聴を認めない。参院では「ケース・バイ・ケース」(広報課)だが、両院とも誓約書を出させることはないという。

 新藤宗幸・千葉大名誉教授(行政学)は「議事の進行を妨げる行為を擁護するつもりはないが、誓約書を提出することや一定期間傍聴できなくすることは、議会を傍聴できるという都民の権利を制約するものといえる。運用で済ますのではなく、規則として明文化し、公表すべきものだ」と話している。

 

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