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【社会】

原発事故公判が再開 報告書まとめた東電社員を尋問

 東京電力福島第一原発事故を巡り、津波対策を怠ったとして業務上過失致死傷罪で強制起訴された勝俣恒久元会長(77)ら旧経営陣三被告の第二回公判が二十六日、東京地裁で始まった。東電の社内事故調査に携わった社員が証人出廷し、津波で電源が喪失し水素爆発を引き起こした事故の経緯などを説明した。

 昨年六月の初公判以来、七カ月ぶりの再開で、証人尋問は初めて。永渕健一裁判長は今年六月にかけて第十七回公判まで行い、秋ごろまでに東電の関係者、地震や津波に関する専門家など二十数人の証人尋問と、被告人質問を行う見通しを明らかにした。

 この日出廷した社員は事故当時、原発の設備管理担当の部長代理で、事故後には東電の事故調査報告書を取りまとめた。法廷では事故の経緯のほか原発の仕組みなどについて証言。「津波が来なければ事態は収束していた」などと述べた。

 他の二被告は武黒一郎元副社長(71)と、武藤栄元副社長(67)。主な争点は巨大津波の危険性を具体的に予見できたかや、対策をしていれば事故は防げたかなど。指定弁護士は今後の尋問を通じ、東電社内で事故前から津波の危険性が十分に認識され、三被告もそれを把握していたことなどを立証する方針とみられる。

 昨年の初公判で、指定弁護士は「国の長期予測から最大一五・七メートルの津波が来るとの試算があったのに、対策を先送りした」と主張。被告側は「実際の津波は、長期予測も全く想定しない規模で、事故はおよそ予見できない危険が現実化したものだ」とし、無罪を主張した。

 勝俣元会長らを巡っては、福島原発告訴団が一二年に告訴・告発。東京地検は二度、不起訴としたが、検察審査会が三人を起訴すべきだと議決し、一六年に指定弁護士が強制起訴した。

 

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