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【社会】

遺族「なぜ家族の命が」 熊谷6人殺害認否留保

妻加藤美和子さん(中)と長女美咲さん(右)、次女春花さんの遺影を並べて会見した男性=26日、さいたま市内で

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 埼玉県熊谷市で二〇一五年九月に六人が殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われたペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(32)の裁判員裁判の初公判は二十六日午後もさいたま地裁(佐々木直人裁判長)で続いた。公判後、妻と娘二人を失った男性(45)が記者会見し、事件の認否などを語らなかったナカダ被告について「事件のことは分かっていると思う。聞かないようにしていると感じた。憎しみしかない」と言葉を詰まらせた。

 この日の罪状認否で、ナカダ被告は「その人が頭の上にカップを乗せたので私も乗せた」など意味不明の発言に終始。弁護側は「心神喪失している」として無罪を主張する方針を示した。一方、検察側は冒頭陳述で、遺体を隠したことなどから「違法性を認識していた。完全責任能力がある」と主張した。

 二回の精神鑑定でも、刑事責任能力があるとする結果と統合失調症との結果が出ており、責任能力の有無が争点。判決は三月九日に言い渡される予定。

 「なぜ家族の命が奪われたのか」。事件の真相が分からず、苦しんできた男性が最も知りたかった疑問は何も晴れないままだった。ナカダ被告は、通訳用イヤホンを外していることも多かった。

 この日、男性の妻加藤美和子さん(41)、長女美咲さん(10)、次女春花さん(7つ)=年齢はいずれも当時=の遺影が法廷に持ち込まれた。その遺影を、ナカダ被告がにらみつけているようにも見えたという。男性は恐怖感を感じる一方、「三人の顔を覚えているだろう」と感情が高ぶった。

 今後、被害者参加制度でナカダ被告に直接質問する予定だ。「家族の代表として頑張りたい。極刑にしてほしい」と話し、ナカダ被告の口から真実が語られることを願った。

 起訴状などによると、一五年九月十四〜十六日、熊谷市内の民家三軒に侵入し、加藤さん親子三人のほか田崎稔さん(55)と妻美佐枝さん(53)、白石和代さん(84)=年齢はいずれも当時=を包丁で刺すなどして殺害。現金や車などを奪ったとされる。

 

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