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【社会】

道の駅、世界へ 日本発ノウハウを指導「途上国の役に立って」

エルサルバドル初となる道の駅の開所式。施設の看板には日本語の「道の駅」という文字が見える=2017年7月(JICA提供)

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 日本生まれの道の駅が海を渡り「MICHINOEKI」として広がりつつある。国際協力機構(JICA)は中南米など世界各地から行政担当者や非営利団体の職員らを受け入れ、ノウハウを本格的に指導。主に途上国での雇用の創出や地域振興の拠点として期待する声も多い。

 「道の駅のシステムは開発モデルとして適用できる」。昨年十一月十六日、JICA北海道研修業務課の吉川彩香(あやか)さん(33)に中米エルサルバドルから電子メールが届いた。送り主は、現地政府でインフラ事業に携わるモレノ・エンリケス・バレリア・スレィマさん(32)だ。

 JICA北海道は同八月から一カ月間、道の駅をテーマにした研修を開催。エルサルバドルをはじめ、コスタリカやドミニカ共和国など六カ国計十一人が道内の道の駅や地元産品の加工施設を訪れ、商品開発や運営方法を学んだ。

 研修で手応えを感じたモレノさんは「研修を生かし道の駅を母国で広めたい」と意欲を見せる。

 中南米には、都市部と農村部の貧富の格差が大きく、ギャングによる抗争で治安悪化が深刻な国もある。幹線道路の整備や沿線開発は大きなテーマだ。吉川さんは「雇用創出や地域経済の振興による貧困解消、防災拠点など、さまざまな面で道の駅が問題解決に役立つはずだ」と説明する。

 道の駅は市町村や第三セクターが提供する無料の休憩施設で、駐車場やトイレを備えており、観光情報も発信。旧建設省が一九九三年に制度をスタートした。昨年十一月現在で千百三十四駅が登録されており、都道府県別では一割程度を占める北海道が最多だ。

 NPO法人「人と道研究会」(東京)や国土交通省などによると、国際協力銀行(JBIC)が九〇年代後半からタイで道の駅の整備を手がけた後、世界銀行も途上国の開発援助を目的として道の駅のガイドラインを作成した。JBICから事業を引き継いだJICAは、アルメニアやインドネシア、ベトナムなどで道の駅の完成にこぎ着けたという。

 人と道研究会の松本順子代表理事は「日本生まれの道の駅が富や価値、交流を生み出し、地方に目を向けるきっかけとなる。海外に知られる新幹線のように国際標準になってほしい」と期待を寄せている。

 

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