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【社会】

リニア談合、割れる認否 地検・公取委「情報交換行き過ぎは競争阻害」

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 リニア中央新幹線工事を巡る入札談合事件で、大手ゼネコン四社の対応が割れている。関係者によると、四社は発注前に工事の情報を交換していたが、大林組と清水建設が情報交換の過程で独占禁止法に違反したと認め、課徴金減免制度に基づいて申告したのに対し、鹿島と大成建設は争うとみられる。東京地検特捜部と公正取引委員会は「行き過ぎた情報交換は競争を阻害する」として、二社が容疑を認めたことを足がかりに全容解明を進めている。 (山田祐一郎、蜘手美鶴)

 ゼネコン関係者によると、リニア中央新幹線の工事を巡っては、南アルプスを貫く現在のルートが決まり、工事が発注される前から、JR東海と大手ゼネコンが工法などの技術的な意見交換を繰り返してきた。

 「トンネルなどの難工事は、事前に調査をしておかないと見積もりができない」。大手ゼネコン幹部は、発注前からJR東海と意見交換することの重要性を説明する。「何カ月も何年も勉強が必要で、研究していない社がいきなり手を挙げてもできない」と断言。調査や技術提案など「汗をかく」ことで受注につなげることは、業界ではよくあることという。

 発注段階になると、ゼネコン側はJR東海から個別の工事に関する情報を入手し、ゼネコン四社で情報を共有してきたという。鹿島と大成建設の関係者は「技術面での意見交換はしたが、受注企業を決めるなどの受注調整はしていない」として「必要な情報交換」だったと主張。「大手四社で工事を分け合ったのではなく、蓄積のある社が受注した結果だ」と強調する。

 一方、特捜部などは、工区ごとに四社を記号で記した数種類の一覧表を押収。落札予定社を示したものとみられ、受注調整していたことを示す証拠とみる。

 実際の受注結果は、押収された一覧表と一致せず、本命視されていた社が落札できなかったり、複数社が入札して競争になったりしたケースもあった。

 しかし、捜査関係者は「予定通りの受注結果とならなくても、入札参加業者の間で談合の合意形成がなされれば、適正な競争入札が阻害され、違法の疑いがある」と指摘。大林組、清水建設が自主申告した背景には、このことを重くみた可能性がある。

 JR東海によると、リニア工事は二十六件で契約済み。特捜部などは大林組、清水建設関係者の話を基に、一連の工事のうち、どの程度の範囲で受注調整が行われたかについて解明を進める。

<課徴金減免制度> 企業が自ら関与した入札談合について、違反内容を公正取引委員会に自主申告すると、課徴金が減免される制度。入札談合の解明を容易にする目的で、2006年1月施行の改正独占禁止法で導入。早期に申告すれば課徴金の減額率が大きくなる。課徴金は原則、大企業の場合、違法行為による売上高の10%。公取委の調査開始前に最初に申告した会社は、課徴金を全額免除されるほか、刑事告発を免れる。調査開始後の申告でも最大3社まで30%減額される。

 

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