東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

輸血でE型肝炎、死亡 骨髄腫治療の80代女性

 多発性骨髄腫の治療を受けていた八十代の女性が血液製剤の輸血を通じてE型肝炎ウイルスに感染し、約百日後に劇症肝炎で死亡していたことが三十一日、分かった。日赤が厚生労働省の有識者会議で報告した。輸血でE型肝炎ウイルスに感染し、死亡したケースは海外でも例がないとしている。

 日赤によると、女性は昨年七月に輸血を受け、十月には肝機能の数値が悪化したため、抗がん剤投与が中止された。いったん快方に向かったことで抗がん剤治療が再開されると、容体が悪化。十一月に亡くなった。抗がん剤による肝機能低下にウイルス感染が加わり、複合的な要因で劇症肝炎を発症したとみられる。

 献血者の血液は、女性から検出されたものと同じウイルスが検出された。日赤は、この献血者の血液は他には使用していないとしている。E型肝炎ウイルスはシカやイノシシなどの肉に含まれており、献血者は献血する約二カ月前に生のシカ肉を食べたことで感染した可能性がある。

 献血にE型肝炎ウイルスが含まれていないかの検査は現在、北海道だけで実施されている。日赤は、検査態勢を全国に拡大するには費用などの面で問題があるため、他の型と同時にE型の有無を判定できる試薬の開発を急いでいる。

 日赤中央血液研究所の佐竹正博所長は「肝炎発症に輸血が影響したことは否定できない。再発防止策をしっかり進める」と話している。問診を強化するなどして感染の恐れがある献血者に辞退を促すほか、医療機関に血液製剤の使用に関して注意を呼び掛ける。

<E型肝炎ウイルス> 感染すると2〜9週間の潜伏期間を経て、肝炎を引き起こす。まれに劇症化することがあり、妊婦や高齢者が感染した場合は注意が必要とされる。日赤は、北海道ではE型肝炎の発症率が高いとの調査結果を受け、道内で献血された血液についてはE型肝炎ウイルスが含まれていないか検査を実施している。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報