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【社会】

アルツハイマー 微量血液で発見 原因物質の判別、安価で簡易に

記者会見する国立長寿医療研究センターの柳沢勝彦氏(右端)と島津製作所の田中耕一氏(左端)ら研究チーム=1月29日、厚労省で

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 わずかな量の血液で、認知症の一種であるアルツハイマー病の原因物質が、脳に蓄積しているかどうかを調べられる検査法を開発したと、国立長寿医療研究センター(愛知県)や島津製作所(京都市)などのチームが三十一日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。病気の診断が安価で簡単になるとしている。治療が難しい病気のリスクを患者にどう伝えるかなど課題もあるが、将来、予防法が開発された際に有効な予測ツールとなる可能性がある。

 アルツハイマー病の原因にはさまざまな説があるが、脳内にアミロイドベータというタンパク質が異常に蓄積するのが原因の一つとされる。蓄積は発症の二十〜三十年前から始まり、蓄積がある人は症状がなくても将来発症する危険性が高くなると考えられている。

 蓄積の有無は現在、大がかりな陽電子放射断層撮影装置(PET)や、腰に長い針を刺して脳脊髄液を採取する検査で調べているが、費用が高いことや患者の負担が大きいことが課題だった。

 チームは、抗体と呼ばれるタンパク質を使って〇・五ミリリットルの血液からアミロイドベータ関連物質を分離し、ノーベル化学賞受賞者の田中耕一・島津製作所シニアフェローらが開発した質量分析技術を使って調べる検査法を開発した。関連物質は三種類あり、量の比率からアミロイドベータ蓄積の有無が分かるという。

 アルツハイマー病患者や健康な人を含む日本とオーストラリアの六十〜九十歳の男女計二百三十二人を対象にこの手法を使って調べたところ、PETの検査結果と約90%一致した。

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 チームは以前から開発を続けてきたが、今回、大規模な研究の結果、高い精度で判定できることを確認できたとしている。島津は今後、製薬会社や研究者向けに血液を分析するサービスを提供していく方針。

 長寿研の柳沢勝彦・研究所長は「将来、アルツハイマー病の治療や予防が可能になれば、この手法を高齢者の検診で広く使えるようになるかもしれない」と話している。

◆健康長寿に貢献

<田中耕一・島津製作所シニアフェローの話> 開発した手法は、治療薬開発などアルツハイマー病のさまざまな研究の進展に役立てられる可能性がある。世界の健康長寿に向け、貢献できればと考えている。治療薬を開発する製薬会社や研究者を対象に、年内にも血液を分析するサービスを始めたい。

 

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