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【社会】

里親委託率の達成 都道府県に求めず 厚労省専門家委が要領案

 虐待などで実の親と暮らせない子どもの里親委託などを進めるため都道府県に示す要領案を検討してきた厚生労働省の専門家委員会は三十一日に会議を開き、骨子案を示した。国が掲げる「乳幼児は75%」などの里親委託率の数値目標が盛り込まれるかどうかが焦点になっていたが、都道府県には数値目標の達成を求めない内容となった。子どもたちを家庭と同様の環境で育てるという方針が骨抜きになる懸念も出ている。

 国は、親元で暮らせない子どもについて、児童養護施設や乳児院などへの入所が八割以上となっている現状を転換するため、一昨年に児童福祉法を改正。昨夏、特別養子縁組などを含む「里親委託率」を乳幼児は75%、小学生以上は50%にするという新しい数値目標を定めた。

 しかし、今回の骨子案では都道府県に対し、現行の計画を上回る目標の設定を求めるにとどめた。現行計画は二〇一一年七月に国が定めた「対象の子どものうち三分の一を里親委託にする」という目標に基づくもので、里親委託率は二九年度末になっても三割にとどまる見込みだ。

 新しい目標には、施設や自治体関係者らから「高すぎて達成が困難」「施設のやってきたことがないがしろにされている」「一律に目標値を決めれば、行き場のない子どもが出る」「財源が不安」などと反対意見が出ていた。

 一方、「数値目標を都道府県に示さなければ実効性が薄れる」という懸念も強い。この日の会議では「里親委託率の地域差が縮まらない」「今を生きる子どものためにスピード化するべきだ」「財政支援は数値目標があるからこそ求められる」などの意見が出た。

 厚労省は「調整の余地はある」としながら、意見交換は今回で一区切りとした。要領は本年度中にまとめ、それを参考に都道府県は現行計画を見直し、一九年度から実施する。

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