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【社会】

自画撮り、軽く考えないで 要求で罰金 都条例施行

「自画撮り」を規制する条例改正について女子高生らに聞くNPO法人「BONDプロジェクト」代表の橘ジュンさん(左から2人目)=1月30日、東京都渋谷区で

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 中高生らが自分の裸を「自画撮り」して他人に送り、画像が悪用されることを防ぐため、画像送信の要求を禁じる東京都の改正青少年健全育成条例が一日、施行された。抑止効果が期待される一方、少女らが自画撮りを気軽に考えている実態もあり、その危険を教えることが不可欠と指摘する声もある。 (神田要一)

 「『自画撮りの画像を送って』と言った人には罰則が付くの。知ってる?」。条例施行を二日後に控えた一月三十日。若者でごった返す東京・渋谷センター街で、若い女性を支援するNPO法人「BOND(ボンド)プロジェクト」代表の橘ジュンさんが、制服姿の女子高生に声をかけて歩いた。

 都内の高校一年の少女(16)は、会員制交流サイト(SNS)で高校生を名乗る相手とやりとりし、自画撮り画像を求められたと明かした。何げない会話から始まり、住所を聞かれ、「見せて、見せて」と軽い文体で求められた。「顔が見えない人は警戒する」と顔をしかめた。

 「言い寄られると、許しちゃうかも」「知ってる男の子が要求して、学校で問題になった」という少女らも。自画撮りは、すぐ身近にあることを感じさせた。橘さんは「体を触られることもなく、顔も分からないからと、軽く思っている子は多い。断り切れず、早くやりとりを終わらせようと、画像を送ってしまう人もいる」と話す。

 ネット上のトラブル相談に応じる「全国webカウンセリング協議会」によると、だまされて送った人が最も多い一方、小遣い稼ぎの感覚で自分でネットに投稿した例もあるという。

 安川雅史理事長は「二人だけの秘密を持ちたい」という心理から、相手の狙いに気づかずに画像を送ってしまうと指摘。条例の抑止効果を期待しながらも「被害に巻き込まれないような自己防衛が重要。家庭と学校で教育することが大切」としている。

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◆「都内での被害」に適用

 改正都条例は、少女らに拒まれたにもかかわらず、裸の画像を提供するよう求めることを禁止した。脅したり、だましたりするほかに「送ってくれないと死ぬ」「お金をあげる」と求めることも禁じる。被害者が都民でなくても、都内にいるときの要求に適用される。

 十八歳未満の自画撮り被害は年々増えている。警察庁によると、二〇一二年は全国で二百七人だったが、一六年は四百八十人に倍増。九割が中高生で、中学生が半数以上を占める。

 警視庁は昨年、画像を提供させたなどとして、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で、十月末までに二十二人を摘発した。しかし、要求行為は脅迫の立証が難しく、取り締まりのハードルが高かった。

 要求行為は条例で三十万円以下の罰金。警視庁幹部は「画像を送った後も、性的関係を要求されたり、ゆすられたりする現状を知ってもらうきっかけになる」と、被害を事前に防ぐ意義を強調した。

 

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