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【社会】

「自立支援」住宅火災11人死亡 無届け老人ホームか調査へ

火災で入居者が死亡した「そしあるハイム」=1日午前、札幌市東区で

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 生活困窮者らの自立支援を掲げる札幌市の共同住宅「そしあるハイム」の十一人死亡火災で、市は一日、高齢者に食事を提供していたことから、無届けの有料老人ホームに当たる可能性があるとして調査する方針を明らかにした。

 有料老人ホームとみなされれば消防法や建築基準法により、誘導灯の設置などより厳しい防火対策を求められる。自力避難が難しい入所者が一定の割合を超えた場合は、スプリンクラーの設置義務も課せられる。

 そしあるハイムでは各部屋に火災報知機があったが、スプリンクラーは設置していなかった。

 市によると、二〇一六年八月以降、そしあるハイムに四回にわたって調査票を送付。運営する札幌市の合同会社「なんもさサポート」から回答はなかった。今回の火災を受け、改めて実態を調べる。

 一方、北海道警は、入居者十六人のうち、連絡が取れなくなっている十一人の氏名を明らかにした。四十八〜八十五歳の男性八人、女性三人で、安否確認を急いでいる。十一人は、竹内正道さん(85)ら八十代三人、大友靖男さん(78)ら七十代四人、白府幸光さん(61)ら六十代三人と西山被佐雄(ひさお)さん(48)。

 火災は一月三十一日午後十一時四十分ごろ発生し、木造一部三階建て約四百平方メートルを全焼。半日たって鎮火した。道警は一日午後から現場検証。一階の中央を通る廊下や調理場付近が激しく燃えていることから、建物内で出火した可能性があるとみて詳しく調べる。調理場で火を使った形跡はなかったという。

 なんもさサポートによると、各部屋には石油ファンヒーターが設置され、一階共用部分にあるポリタンクから各自で灯油を補給していたという。この火災を受け、西村康稔官房副長官は一日の記者会見で、再発防止に向けた関連法令の改正の可能性について「消防による調査結果を踏まえ、必要な検討を行う」と述べた。

◆低額宿泊所、規制強化へ 厚労省

 厚生労働省は、生活困窮者に居場所を提供する「無料・低額宿泊所」について、防火態勢や個室面積の最低基準を定めるなど、規制を強化する方針だ。自治体による改善命令を可能にし、事前の届け出を義務付ける。昨年末の厚労省の審議会で社会福祉法改正案の概要を決定。今国会に改正案を提出し、二〇二〇年度からの実施を目指す。

 無料・低額宿泊所を巡っては、これまでも(1)避難通路の整備や消火器の設置といった消防法の順守(2)個室の広さを七・四三平方メートル以上とする−などの指針はあったが、法的な強制力はなかった。厚労省は、今後は法令で具体的な防火態勢などの最低基準を定め、下回る場合は自治体が改善命令を出せるようにする。さらに、現行制度では、事業開始から一カ月以内に自治体に届け出ればいいことになっているが、事前の届け出を義務付け、開設前に不備がないかチェックできるようにする。

 

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