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【社会】

札幌11人死亡 防火「考えたことない」 運営会社、避難計画の不備認める

記者会見する「なんもさサポート」の渡部昭雄副代表=4日、札幌市で

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 生活困窮者らの自立支援を掲げる札幌市東区の共同住宅「そしあるハイム」で十一人が死亡した火災で、ハイムの運営会社「なんもさサポート」(同市)の渡部昭雄副代表(68)が四日、社内で記者会見を開き「(防火面は)あまり考えたことがない。法的に許される範囲内で運営していた」「(避難計画がないなど)体制に不備があったと思う」と述べた。火災後、同社が正式に会見するのは初めて。

 藤本典良代表は現場を調べている北海道警に同行したため会見に臨めなかったという。道警は五日も現場検証を継続。そしあるハイムでは、なんもさサポートの他の下宿などで使う灯油も保管していたといい、出火時の状況を調べる。

 渡部氏によると、入居者の中にはストーブの近くで洗濯物を干す人がいた。一階と二階の廊下の中間に普段から暖房器具用の灯油が入ったポリタンクが二個ずつ置かれていると聞いていたという。

 渡部氏はハイムに避難計画がなかったと認め、避難訓練も「やってません」と述べた。「(過去に系列の住宅で)ぼやがあったと聞いた」とも話した。二階には避難用の縄ばしごがあるが非常階段はなかった。道警は一階居室が火元の可能性があるとみて調べている。

 渡部氏は冒頭に「亡くなった方のご冥福をお祈りします。助けてあげられなくて、ごめんなさい」と謝罪した。

 火災は一月三十一日深夜に発生し、十六人が入居する木造一部三階建てを全焼した。道警は四日、死亡した十一人のうち男女六人の身元をDNA型鑑定などから確認したと発表。安否不明の入居者は残り五人となった。

 渡部氏によると、なんもさサポートは四日現在、約二十カ所に暮らす計約二百五十人をスタッフ七人で支援しているという。

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◆一問一答

 記者会見した運営会社「なんもさサポート」の渡部昭雄副代表の主な一問一答は次の通り。

 −防火体制は。

 「今まであまり考えたことがない。スプリンクラーは考えてなかった。消火器はちゃんと配置していた。ただ、資金的な余裕がないので、法的に許される範囲内でやっていたというのが実情だ」

 −灯油のポリタンクはどこに。

 「一、二階、それぞれ廊下に二個ずつ置いていたと聞いている」

 −ポリタンクが火災を大きくした原因では。

 「火災が発生したとみられる部屋の間近に置いてあったということだし、影響したのは間違いないと思う。それでは駄目だと思い知らされた。反省して変えていかなければいけない」

 −避難訓練は。

 「やってません」

 −二階非常口に階段がなかったのはなぜか。

 「前は付けていたが、はっきり分からない。代わるものとして縄ばしごを設置したと聞いたことがある」

 −有料老人ホームに当たるとの指摘がある。

 「全く考えていなかった。市のケースワーカーがしょっちゅう来て、生活保護受給者を訪問しているが、指摘はなかったと思う」

 −緊急時の連絡網は。

 「火災時のはなかった。何かあったとき、誰から誰にというのはあった」

 −避難経路もなかったのか。

 「はい。われわれの体制にも不備があったのではないかと思う」

 

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