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【社会】

死刑男性の再審認めず 福岡高裁 2女児殺害 飯塚事件

久間三千年元死刑囚

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 福岡県飯塚市で一九九二年、小学一年の女児二人が誘拐、殺害された「飯塚事件」の再審請求即時抗告審で、福岡高裁(岡田信(まこと)裁判長)は六日、請求を棄却した福岡地裁決定を支持し、殺人などの罪で死刑が執行された久間三千年(くまみちとし)元死刑囚=執行時(70)=の再審開始を認めない決定をした。

 法務省によると、死刑後に裁判のやり直しが認められた例はなく、判断が注目された。高裁は「犯人であることは合理的な疑いを超えた高度の立証がされている」とし、弁護団の主張を全面的に退けた。弁護団は不服として最高裁に特別抗告する。

 久間元死刑囚は、登校中の女児二人=いずれも当時(7つ)=を誘拐し首を絞めて殺害した後、山中に遺棄したとして、事件から二年半以上たった九四年に逮捕、起訴された。

 犯行を裏付ける直接的な証拠はなく、一貫して関与を否認したが、一審・福岡地裁は複数の状況証拠に基づき、九九年に死刑判決を言い渡し、二審・福岡高裁も支持。二〇〇六年に最高裁が上告を棄却し確定した。〇八年に刑が執行され、翌年、妻(70)が再審請求。一四年三月の福岡地裁決定は認めず、弁護団が即時抗告していた。

 再審請求審では、女児の所持品が遺棄された現場に「元死刑囚の車と特徴が似た不審な車が止まっていた」とする目撃証言や、遺体に付着していた血液から元死刑囚と同じDNA型や血液型が検出されたとする鑑定結果の信用性が争点だった。

 弁護団は、法医学者の鑑定書などを「新証拠」として提出し「目撃証言は、元死刑囚を犯人と見立てた警察官の誘導があった。DNA型などは元死刑囚と異なる」と主張した。高裁の岡田裁判長は「誘導はなかった。DNA型鑑定の証明力は慎重に評価すべきだが、結論は左右されない」と判断した。

 <飯塚事件> 1992年2月20日、福岡県飯塚市で小学1年の女児2人=いずれも当時(7つ)=が登校中に行方不明となり、翌21日に約20キロ離れた同県甘木市(現朝倉市)の山中で遺体が見つかった。県警は94年9月、同じ校区に住む久間三千年元死刑囚を死体遺棄容疑で逮捕。殺人、未成年者略取・誘拐の罪も併せて起訴された。福岡地裁は99年、死刑判決を言い渡し、福岡高裁も支持。最高裁が2006年に上告を棄却し、確定した。08年10月に刑が執行され、元死刑囚の妻が命日の09年10月28日に再審請求した。

 

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