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【社会】

ニセ電話詐欺1万8000件 昨年3割増 カード詐取は4倍

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 全国の警察が昨年一年間に把握したニセ電話詐欺は、前年より三割多い一万八千二百一件に上り、九年ぶりに一万五千件を超えたことが八日、警察庁のまとめで分かった。六千九百件だった二〇一〇年以降、毎年増えている。被害総額は三百九十億三千万円で、三年続けて減った。

 警察官や金融機関の関係者に成り済ましてキャッシュカードをだまし取り、現金自動預払機(ATM)で預金を引き出す「カード詐取型」が、前年の四倍以上に上る四千四件発生した。プリペイド型のアマゾンギフト券などをコンビニで買わせてだまし取る「電子マネー型」も、二倍以上の二千九百十四件発生。二つの手口の急増が、件数全体を押し上げた。

 一件当たりの被害額は、カード詐取型が百五十万円、電子マネー型が五十四万円。被害者宅近くなどで現金を手渡す手口の四百万円超と比べれば低く、被害総額の減少につながった。

 一昨年まで多発していた、医療費の還付があるなどと偽って、ATMで逆に振り込みの操作をさせる「還付金詐欺」は、振込限度額の引き下げが全国三百七十八の金融機関に広がったのを受け、減少に転じた。

 東京、埼玉、神奈川、千葉など大都市圏を中心に十六都道府県で件数、被害額とも増えている。特に東京では、前年より千四百八十一件多い三千五百十三件発生。被害額も十八億円余り増え、七十九億七千万円に上った。

◆ATM引き出し制限で対策

ポスターを掲示し、ニセ電話詐欺対策でATMの出金を制限している巣鴨信用金庫本店のATMコーナー=東京都豊島区で(圷真一撮影)

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 ニセ電話詐欺対策として、現金自動預払機(ATM)から他口座への振込限度額を引き下げる動きが広がる一方で、巣鴨信用金庫(東京都豊島区)は高齢者の一部の口座で、ATMから一日に引き出せる額を十万円に引き下げた。詐欺グループがキャッシュカードをだまし取り、自分たちで預金を引き出す「カード詐取型」の急増を受けた対策で、全国に広がりつつある。

 同信金によると、引き下げは昨年十月に始めた。対象は七十歳以上の高齢者の名義で、ATMから三年間、引き出した実績がない四万口座。二十万〜五十万円の通常の上限と比べ、詐欺グループに引き出されても、被害額を抑えられる。

 被害に気付いて利用停止の手続きが間に合わないうちに、近くのコンビニなどで金を引き出された例が増えていたといい、担当者は「客に不便を掛けても、預金を守るべきだと考えた」と説明した。窓口で手続きをすれば、制限の解除や限度額の設定ができる。

 京都中央信用金庫(京都市)では昨年十一月、カードでの取引実績が三年間ない七十歳以上の口座からの引き出しや振り込みを停止した。停止を解除するために窓口に来た客には、詐欺への警戒を呼び掛けているという。静岡県の十二の信金も同月、一斉に引き出し限度額を下げた。

 制限の動きについて、東京・巣鴨地蔵通り商店街を訪れていた横浜市の七十代男性は「だまされるお年寄りがいる以上、やむを得ない」と理解を示した。一方、おいを名乗るニセ電話がかかってきたという東京都北区の高齢女性は「詐欺は怖いが、急にお金が必要なことはある。制限は不便」と顔をしかめた。同区の九十代男性は五年ほど前、自衛策として、カードを金融機関に返した。「窓口の人が親切で、カードがなくても不便はない」と語った。 (福岡範行)

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