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【社会】

公立小の制服にアルマーニ 銀座・泰明小 一式8万円、保護者「なぜ」

右から男児の夏服、男児の冬服、女児の冬服=泰明小学校提供

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 イタリアの高級ブランド「アルマーニ」がデザインした制服の導入を、東京・銀座にある中央区立泰明(たいめい)小が決めていたことが分かった。制服着用は強制ではないが、一式の価格は、これまでの二・五倍の八万円ほどになる。公立学校にふさわしい対応なのか、保護者から困惑の声が出ている。 (神野光伸、山田雄之)

 区教育委員会によると、新しい制服は四月入学の新一年生約六十人から採用する。標準サイズ(身長一三〇センチ)なら上着、シャツ・ブラウス、ズボン・スカート、帽子をそろえると男子で四万四千円、女子で四万六千円。従来は男子が一万八千円、女子が一万九千円だった。新制服は、ほかにセーターなどを加えると一式で八万円以上になる。

 和田利次校長の名前で、保護者に配布された資料によると、変更理由について「服育」という教育の一環であることを挙げ、「銀座の街のブランドと泰明ブランドが合わさったときに学校、子どもらと街が一体化する」と主張。その上でアルマーニを選んだ経緯は「他のブランド社にもアプローチをしたが、アルマーニ社だけが思いを聞いてくれた」と説明している。

 新入学を予定している保護者向けに開いた昨年九月の説明会で、制服のデザイン変更を報告したが、そのときは価格帯については触れず、同十一月にようやく明かされたという。

 八日、記者会見した区教委事務局の伊藤孝志庶務課長によると、区教委には「経済的に負担が増える」「変更の理由が納得できない」といった苦情が、五件寄せられた。伊藤課長は「保護者らの了解を得るよう校長に指導してきたが、確認が十分ではなかった。プロセスに区教委は関わっていないが、指導が十分に行き届かなかったのは反省すべき点だ」と話した。

 区では制服を正式には「標準服」と呼び十四校が導入している。着用は強制ではないが、ほとんどの児童が標準服を着用している。

◆「丈夫なら」戸惑う声

 学区外から低学年の子どもを泰明小に通わせる、中央区の女性は「転んでもすりきれない丈夫な服、というのなら少しぐらい高くても納得できるが『アルマーニだから』と言われても、なぜなのかと思う」と釈然としない様子で話した。

 一年生の子どもを通わせている女性は「高額な服のことも含めて、ここに子どもを通わせるかどうか選択すれば良いだけ」と、校長の判断を擁護した。新一年生からの変更だが「全学年の変更だったとしても受け入れて買っていました」。

 八日の衆院予算委員会でも取り上げられ、麻生太郎財務相は「結構高いものだと思う。一人だけ買えない人が出ると難しいかなという感じはする」と答弁した。

<中央区立泰明小学校> 1878(明治11)年創立の銀座地区では唯一の小学校。島崎藤村や北村透谷、近衛文麿らが学んだ。関東大震災後の復興事業で建てられた鉄筋コンクリートの校舎は、都歴史的建造物に選定。学区外の児童も通える「特認校」に指定されている。

 

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