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【社会】

ジャパンライフ 客を信用させる営業実態 元社員が東京新聞に証言

返金計画書や大物政治家との交流をジャパンライフの契約者にPRする資料

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 磁気治療器の預託商法を展開したジャパンライフ(東京)が巨額の負債を抱えて事実上倒産した問題で、元社員が本紙の取材に応じ、大物政治家らが登場するチラシや黒字の決算書を示し、客を信用させる営業活動の実態を明かした。社員の多くは自らも投資していたといい、「破綻するまで、顧客にとってもメリットがあると信じ切っていた」と語った。

 元社員はジャパンライフが銀行取引停止となり、事実上の倒産が報じられた昨年十二月に退社した。勤務歴は長く、多くの契約実績を上げたという。

 客の獲得は、磁気治療器の体験会などを開き、もともとの顧客から紹介してもらう形で、勧誘。そのうち契約に至るのは四割程度で、年6%の高配当を毎月支払うことで信用を得て、契約を追加させていった。

 会長が与党幹部との懇親会を主催したり、安倍晋三首相の「桜を見る会」に招待されたりしたことを記したチラシを作成し、客に配布。元社員は「(本当に政治家と)交流があったかは分からないが、客の信用を得るのに役立ったと思う」と振り返る。

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 二〇一六年十二月以降、四度にわたる行政処分(業務停止命令)では、債務超過を客に告げずに契約を結んでいた実態が明らかになっているが、会社は直前まで、財務状況を尋ねる客には「黒字の決算書」を提示していたという。

 行政処分後、本社から「黒字の決算書」を廃棄するよう指示があり、元社員は「架空の決算書だったかもしれない」と指摘する。破綻直前には、売り上げをジャパンライフ本体ではなく、関連会社の口座に入金するよう指示するメールが本社からあった。「差し押さえを避け、現金を持ち逃げするためでは」と疑念を抱く。

 客の大半が高齢者で、元社員は「求められれば家族に説明した。隠れて契約したわけではなかった。ただ、高額になると契約者自身が家族に内緒にしたがる。そこに甘えた部分はあったかもしれない」と話す。

 多くの社員も投資し、数千万円単位で預けていたケースもあったという。昨年十二月分の給料は未払いの上、再就職に必要な離職票も発行されていないといい「契約者からすれば加害者だが、社員もだまされていた」と苦悩する。

<ジャパンライフ> 1975年設立で、全国で約80店を展開。磁気治療器を販売後、客から預かって別の客に貸与し、そのレンタル料の利益として購入者に年6%を支払うなどと宣伝していた。昨年7月末時点で、約7000人と計1700億円余の契約を結んでいたとされる。会長の男性は75年、「マルチ商法」問題を質疑した衆議院の特別委員会に参考人招致されたことがある。麻生太郎副総理は昨年4月、参議院の委員会で「この人は有名人ですよ。マルチという言葉が始まった最初のころから出ていた方」と述べた。

 

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