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【社会】

頂点の2人 栄誉賞 羽生さん「限界に挑戦」井山さん「成長したい」

国民栄誉賞の授与式を前に談笑する囲碁の井山裕太さん(左)と将棋の羽生善治さん=13日、東京・永田町の首相官邸で

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 将棋界史上初の「永世七冠」を達成した羽生(はぶ)善治さん(47)と、囲碁で初めて七冠独占を二度果たした井山裕太さん(28)に十三日、国民栄誉賞が授与された。二人は同日、東京都内で共に記者会見。将棋界、囲碁界で初めての国民栄誉賞の喜びを語った。(樋口薫、岡村淳司)

 首相官邸で行われた授与式では、安倍晋三首相から表彰状と記念品が手渡された。安倍首相は「多くの国民に夢と感動を、社会に明るい希望と勇気を与えた」とたたえた。安倍首相には御礼の品として、羽生さんから将棋盤と駒、井山さんからはミニチュアの碁盤と碁石がそれぞれ贈られた。式には、羽生さんの長女で大学生の舞花さんも同席した。

 式の後、羽生さんは「あらためて名誉ある賞と実感した。これを大きな励みとしたい」と語った。都内で行われた天元就位式を終えてから授与式に臨んだ井山さんは「受賞は今後への期待と解釈している。棋士としても、一人の人間としても成長したい」と話した。

 国民栄誉賞の授与は一昨年十月、五輪で四連覇した女子レスリング選手の伊調馨(いちょうかおり)さん(33)以来、今回で二十五、二十六例目となる。

 記者会見で二人は、それぞれに頂点を極めた互いへの深い敬意をにじませながら喜びを語った。

 幼い頃から世界を意識して戦ってきた井山さんに対し、羽生さんは「囲碁は国際普及で将棋の先を行ってうらやましい。井山さんは他国に若くて強い棋士がたくさんいる中で存在感を示している」と称賛。「これからも自分の限界に挑戦したい」と前を向いた。

 その羽生さんが一九九六年に七冠制覇した頃に囲碁を始めた井山さん。「羽生先生は今もトップ棋士として勝ち続け、『尊敬』の言葉で言い表せないくらいの思いがある。自分が達成した七冠も、先に不可能でないと示してくれたのが支えになった」と明かした。

 互いの強さの理由を問われると、羽生さんは「井山さんは独創的な手と結果を両立させている」、井山さんは「羽生先生の新しいことにチャレンジする姿がすごい」と分析した。

 さらなる活躍が期待される二人だが、国際棋戦決勝という大一番を八日に終えた井山さんは「今日で一段落という気持ち」。一方、十七日に藤井聡太五段(15)と公式戦初対局する羽生さんは「今日で一息つけると思ったが、そういう感じでは全くなくなった」と苦笑しつつ、「対局を心待ちにしています」と話した。

 平昌冬季五輪に関する質問もあり、羽生さんは男子フィギュアスケートの羽生結弦(はにゅうゆづる)選手(23)について「読み方は違うが、漢字が同じで親近感を持っている。芸術的な滑りを楽しみにしている」とエールを送った。

 

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