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【社会】

「死にたい」若者 相談員につなげ 足立区が予防対策

 インターネットに「死にたい」と書き込む若者の自殺をどう食い止め、犯罪から守るか。神奈川県座間市のアパートで九人の遺体が見つかった事件では、ネットに自殺願望を投稿した若者たちが犠牲になった。悲劇を繰り返してはならないと、こうした若者を相談機関などに誘導する取り組みが、民間団体や行政、企業に広がっている。 (川田篤志)

 東京都足立区は、自殺に関連した言葉をネットで検索した人を、専門の相談員へとつなぐ事業に乗り出す。都内の自治体では初の取り組みだ。

 スマートフォンなどの位置情報機能を使い、利用者が区内で「死にたい」「自殺の手段」「心中方法」など自殺を連想させる三百三十の言葉を検索すると、画面に「死にたくなったあなたへ」というメッセージが表示される。クリックすると相談ページが開き、専門相談員にメールや電話ができる。大手検索サイト・グーグル社の「検索連動型広告」の機能を利用した。

 モデルにしたのは、NPO法人「OVA(オーヴァ)」が二〇一三年、グーグル社と協力して始めた事業。利用者がネットで自殺をほのめかす言葉を打ち込むと、「話をきかせてください」と呼び掛ける画面が表示され、オーヴァにメールが送られる仕組みを構築した。

 足立区は民間団体に運営を委託することを検討しており、新年度予算案に委託費四百四十万円を盛り込んだ。東京都からの交付金を活用する。近藤弥生区長は「抑止にどの程度つながるかは断言できないが、やれることはやりきりたい」と語る。

 民間企業でも同様の動きがある。ツイッター社は一月十八日から、「死にたい」など自殺に関する言葉でサイト内を検索した場合、悩み相談に応じているNPO「東京自殺防止センター」の窓口が最初に表示されるよう仕様を変えた。

 こうした流れに、ネットを使った自殺予防に詳しい和光大学の末木新(はじめ)准教授(臨床心理学)は「自殺を誘発する情報より、支援につながる情報に接する機会を増やすことが有効な対策だ」と評価。足立区がNPO法人への委託事業として対策を始めたことに「継続的な自殺対策には、予防団体への公的な財政支援が不可欠。足立区を契機に支援の輪が全国に広がればいい」と期待した。

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