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【社会】

前橋地裁 県の不許可取り消し 朝鮮人追悼碑の設置更新

 群馬県高崎市の県立公園内にある朝鮮人強制連行犠牲者の追悼碑を巡り、県が設置期間の更新を許可しなかったのは違法として、碑を管理する市民団体が不許可処分の取り消しを求めた訴訟の判決が十四日、前橋地裁であった。塩田直也裁判長は「裁量権の逸脱があった」と認め、処分を取り消した。

 碑は二〇〇四年、市民団体「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」(前橋市)の前身が、県に十年間の設置許可を受けて県立公園「群馬の森」に建立。団体側が碑の前で開いた慰霊行事で、「強制連行の事実を訴え、正しい歴史認識を持てるようにしたい」などの発言があったことが、県が許可条件とした「政治的行事をしない」との規定に違反するとして、一四年七月に設置期間の更新を不許可にしていた。

 判決では、建立の際に行われた県と団体側との交渉で、碑文案から「強制連行」の文言が削除されたことを挙げ、団体側が慰霊行事で「強制連行」に触れたことに対し、「政治性を帯びることは否定できない」と条件違反を認定。

 一方で違反があったとしても、団体側が碑の敷地部分を買い取るなどの代替案も示していたとして、県の判断が「当然考慮すべき事項を十分しておらず、裁量権行使の選択に合理性を欠いている」と指摘した。

 また、政治的行事を規制した設置条件や設置更新の不許可処分に対し、団体側は「表現の自由を侵害している」と主張したが、判決は「表現の自由といえども絶対無制約のものではない」などとして退けた。

 県が定めた設置期間や許可条件に関しては「県知事の裁量にゆだねられている」とした。地裁判決が確定すれば、県は更新への対応を検討する。 (菅原洋)

 

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