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【社会】

「公共」「歴史総合」必修 22年度からの高校指導要領案

 文部科学省は十四日、二〇二二年度の新入生から実施する高校学習指導要領の改定案を公表した。主権者教育の充実を掲げ、必修科目として「公共」や近現代の日本史と世界史を統合する「歴史総合」を新設するなど、社会科系の科目を大幅に再編。領土問題では竹島(島根県)、尖閣諸島(沖縄県)などを「わが国の固有の領土」と政府見解通りに教えるよう、初めて明記した。

 「歴史総合」の新設により、授業時間の不足などで十分に教えられていないと指摘されてきた近現代史をすべての生徒が学ぶようになる。世界で起きているさまざまな問題のルーツを理解する土台とし、現在は選択科目となっている日本史の必修化を求める声にも応えた。

 十八歳への選挙権年齢引き下げを受け、主権者教育の柱として、公民に必修科目の「公共」を新設。「政治参加と公正な世論の形成・地方自治」「国家主権・領土」「雇用・労働」など、十三のテーマを設定して学ぶ。

 領土問題に関して、現行の要領には具体的な地名の記載がないが、今回は計六科目に書き込んだ。文科省の担当者は「授業で相手国の主張に触れてもいいが、自国の立場を優先して教える」と説明している。

 道徳教育の充実も打ち出し、各校に道徳教育推進教師を置くことを総則に新たに規定。高校に道徳の授業はないが、「公共」や「倫理」、学級活動などを通して指導するよう求めた。

 ほかに、理科と数学の垣根を越えて学ぶ「理数探究」、「聞く・読む・話す・書く」の力をバランス良く育成する「英語コミュニケーション」など、必修、選択を合わせて二十七科目を新設する。

 外国籍など日本語が不自由な生徒への配慮や、不登校の生徒への支援も新たに盛り込んだ。

 改定は〇九年以来。卒業に必要な単位は七十四以上で現行と同じだが、身に付けさせる内容などが詳しく書き込まれ、改定案の分量は現行の約一・五倍に増えた。

 文科省は三月十五日まで意見を公募し、本年度中に指導要領を告示する。

<学習指導要領> 小中高校で教えなくてはならない最低限の学習内容を示した教育課程の基準。約10年ごとに改定される。教科書編集の指針にもなる。新たな学習指導要領は2016年12月の「中央教育審議会」(文科相の諮問機関)の答申に沿って文科省が策定。小中学校は17年3月に告示され、小学校は20年度、中学校は21年度から全面実施される。

 

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