東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

102歳自殺 東電に賠償命令 避難前の精神的負担認定

 東京電力福島第一原発事故による強制避難を前に精神的に追い詰められて自殺したとして、当時百二歳だった福島県飯舘村の大久保文雄さんの遺族三人が、東電に計約六千万円の賠償を求めた訴訟の判決で、福島地裁は二十日、原発事故と自殺の因果関係を認め、東電に計千五百二十万円の支払いを命じた。

 金沢秀樹裁判長は判決理由で「避難を余儀なくされたことが自死の引き金となった」と認定。「高齢の大久保さんにとって、村に帰還できず最期を迎える可能性が高く、耐え難い苦痛を与えた」と指摘した。

 一方で、大久保さんが避難生活で家族に介護の負担を掛けるのを遠慮していたことなども相当の影響があったとして、事故と自殺の因果関係は六割とした。

 原発事故の避難と自殺を巡る訴訟の判決は三例目で、避難前の自殺への賠償命令は初めて。

 大久保さんの次男の妻で、原告の美江子さん(65)は記者会見し「良い判決をもらった」と述べた。東電は「判決内容を精査する」とコメントを出した。

 判決によると、大久保さんは美江子さんと孫(35)の三人暮らし。事故から一カ月後の二〇一一年四月十一日、村が計画的避難区域に指定されるとニュースで知り、美江子さんに「避難したくないな」「ちょっと長生きしすぎたな」と漏らした。翌十二日朝、自室で首をつって自殺しているのが見つかった。

◆真摯に対応していく

<東京電力のコメント> 大久保文雄さんがお亡くなりになったことについて、心よりご冥福をお祈りします。今後、判決内容を精査した上で、引き続き真摯(しんし)に対応してまいります。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報