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【社会】

<御料牧場の四季 皇室の農をさぐる> (中)新年のダイコン

ラップの芯で選別される「御祝先付」で供されるダイコン=栃木県高根沢町の宮内庁御料牧場で

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 正月に欠かせないおせち料理。一般家庭ではお重に、紅白のかまぼこや黒豆などを詰め込むが、天皇、皇后両陛下が召し上がる新年の「御祝先付(おいわいさきづけ)」膳には漬物も並ぶ。浅々大根(あさあさだいこん)だ。

 牧場では昨年八月末、約一・五アールの畑に漬物用ダイコンの種をまき、太さを測りながら成長を見守った。成長し過ぎても駄目で、年末に向けて太くなりそうなダイコンは葉を摘み取って成長を抑えた。

 宮内庁大膳課によると、浅々大根はダイコンを天日に干し、数日塩水に漬け込む。

 江戸幕府の役人で故実・伝承の研究で知られる伊勢貞丈(さだたけ)の記した「貞丈(ていじょう)雑記」には「あさづけを 女(おんな)の詞(ことば)には あさあさという由(よし)みへたり」の記述がある。女とは天皇に仕える女官で、ダイコンの浅漬けを宮中では「あさあさ」と呼んでいた。

 昨年十二月十九日、牧場の温度計で氷点下八度を記録した早朝に収穫された。土だらけのダイコンは、葉をもぎって洗浄器で水洗いした後、職員が太さを測りながら選別する。

 選別されたダイコンは、細いひげの部分を取り払われた後、数百本が箱に入れられトラックで皇居まで運ばれた。

 大膳課が求める規格は直径二十七ミリ、全長約二十センチ。牧場の女性職員はビニールラップの芯を選別作業に使っていた。内径が二十八ミリで、この中にダイコンを入れ、少し引っ掛かるくらいの大きさがちょうどいいという。

 「家にあったラップの芯なんだけどね。宮中のお膳で役立っているなんてうれしい」(蒲敏哉、高橋淳)

 

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