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【社会】

日本郵便の待遇格差訴訟 扶養手当不支給「違法」 契約社員が範囲拡大勝訴

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 大阪などの郵便局で勤務する契約社員ら八人が、正社員と同じ業務内容で手当や休暇制度に格差があるのは違法だとして、日本郵便に正社員と同じ待遇や差額分に当たる約三千百万円の支払いを求めた訴訟の判決で、大阪地裁(内藤裕之裁判長)は二十一日、扶養や住居の手当など一部の格差を違法と認め、計約三百万円の支払いを命じた。

 労働条件の違いが、労働契約法二〇条で禁じる「不合理な待遇格差」に当たるかが争点。日本郵便の待遇を巡る先行訴訟だった昨年九月の東京地裁判決では争われなかった扶養手当を新たに認め、年末年始勤務と住居への手当は六〜八割の支払いから全額支給へ範囲を拡大する内容となった。

 正社員と非正規社員それぞれ約二十万人の規模を持つ日本郵便に再び待遇改善を求めた判断は、非正規労働を巡って政府が働き方改革の柱として目指す「同一労働同一賃金」の議論にも影響しそうだ。

 一方、賞与に当たる夏期年末手当や祝日給など五種類の手当は、労使間の交渉経緯や会社側の裁量を踏まえて格差の不合理性を否定。正社員と同様の待遇や休暇制度を求めた訴えも退けた。

 判決後、記者会見した原告側弁護団の森博行弁護士は「請求全てが認められなかったのは不満だが、扶養手当が全額認められたのは非常に素晴らしい」と評価した。原告側は全員控訴する方針。

 内藤裁判長は判決理由で、正社員とは責任の重さや業務内容に違いがあることを前提に、手当格差の不合理性を個別に検討。原告のうち二人が請求した扶養手当については「親族の生計を維持し、正社員と同様の負担が生じている」と指摘し、「人材確保のため正社員の待遇を手厚くしている」とする日本郵便側の主張を考慮しても、支給しないのは不合理と判断した。

 また、最繁忙期となる年末年始の勤務手当や、転居を伴う転勤がない正社員も対象となる住居手当も同様に格差の違法性を認定。これら三種類の手当について、労働契約法二〇条が施行された二〇一三年四月以降分の全額を損害額とし、一人当たり三万〜約二百万円の支払いを命じた。

 八人は一九九八〜二〇一〇年に採用された三十〜五十代の男性で、大阪府や神戸市、広島市の郵便局で配達や集荷業務を担当。うち一人は一六年に退職した。

 

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