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【社会】

観光の町 安全策模索 草津白根山噴火から1カ月

にぎわいを取り戻しつつある草津温泉街の湯畑周辺=群馬県草津町で

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 一人が死亡、十一人が負傷した草津白根山の本白根山(群馬県草津町)の噴火災害から二十三日で一カ月になる。地元自治体などは安全対策の強化を急ぎ、主産業の観光への影響を最小限に食い止めようと手を尽くす。一方、四半世紀にわたって草津白根山を調査した研究者は火山の監視強化のため、調査手法の見直しが必要と強調する。 (石井宏昌、原田晋也)

 九日にあった草津町議会の臨時議会。本白根山の噴火で損傷した草津国際スキー場の白根火山ロープウェイについて、黒岩信忠町長は廃止の意向を表明した。ロープウエー山頂駅周辺の上級者向けコースも閉鎖する。「重い決断だ。再開はできない。スキー場の魅力は減るかもしれないが、(ロープウエーの)ゴンドラやコースの廃止で山の安全を担保できる」とした。

 一方、黒岩町長は本紙の取材に、山頂駅が噴火場所から約五百メートルと近いため「火山活動の観測拠点として活用したい」という考えを示した。駅周囲を写していたビデオカメラを本白根山の方向に向け、新たに二台を設置し、うち一台は夜間も見える高感度カメラに交換。映像は気象庁にも配信するという。既に気象庁は地震計とともに空気振動を測る空振計を取り付け、監視を強化している。

 安全強化は町を挙げて取り組まれている。スキー場内の草津スキースクールは外国人客向けに、緊急時に避難を呼び掛ける五カ国語の翻訳カードを作り、スタッフに常時携帯させている。スキー場を運営する草津観光公社は、避難対応など緊急時の職員の役割分担をより明確化した。

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 ここ数年、草津町の観光客数は増え、本年度は約三百万人が訪れた昨年度をほぼ毎月上回っていた。だが、噴火後は、噴火口から約五キロ離れた草津温泉街でも予約キャンセルが相次ぎ、一月は前年比5%減。地元では安全対策に加え、毎週末イベントを開き、PRに余念がない。

 十八日に草津国際スキー場で開かれた雪中の「宝探し」イベントには、親子ら百五十人以上が参加。「想定以上に来てくれた」と関係者は頬を緩めた。草津温泉観光協会の中沢敬会長は「このピンチを火山と温泉の共存を世界に発信する機会ととらえたい」と力を込めた。

 

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