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【社会】

北海道、96年度まで強制不妊目標 事業方針に手術・人数

北海道立文書館に1996年度分まで保管されている、道発行の「保健予防課事業方針」。65年度の方針(上)では「優生手術」の実施目標を141人と明記している

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 旧優生保護法(一九四八〜九六年)下で障害者らへの強制不妊手術が繰り返されていた問題で、北海道が担当課の事業方針に、旧法が母体保護法に改定された九六年度まで手術の目標や予定人数を掲げ続けていたことが二十三日分かった。道立文書館に資料が保管されていた。確認できた資料は六五〜九六年度のうち計十六年分で、六百三十八人の手術が盛り込まれていた。「疾患の遺伝を防止するため」などとしている。最後の手術は八九年で、道は実際に手術が施されなくなった後も計画を組み込み続けていた。

 道は「出先機関を含め、旧法の関連資料の有無を調査している。取りまとめが終わり次第、今後できることを検討する」としている。

 国によると、「不良な子孫の出生防止」を掲げた旧法下、本人同意がなく手術を強制されたのは一万六千四百七十五人とされる。北海道は都道府県別で最多の二千五百九十三人で、宮城県千四百六人、岡山県八百四十五人、大分県六百六十三人の順だった。

 資料は道が発行した「保健予防課事業方針」。道によると、各保健所に年度ごとの方針を示す目的で発行されていた。手術費用を国から受け取るため、いったん道の予算に手術費を計上する必要があり、そのため目標や予定の人数を決めていたとしている。

 各年度はいずれも女性の目標人数が多かった。最多の六五年度には、男性二十一人、女性百二十人の計百四十一人を目標と明記。「優生手術を行う必要あるものの発見」に努め、手術の適否を決める優生保護審査会へ申請するよう「各医療機関に対し周知徹底を図る」としている。

 七〇年度には、強制手術の申請数が地域ごとに偏っていると指摘した。原因は事業の趣旨が普及していないためだと分析し、改めて医療機関を指導するよう強調している。七二年度には地域差に対応するため、保健師が当事者宅を訪問するよう求めている。

 七三年度からは「実施予定人員」と表記。七一年度を除いて徐々に減少しており、七九年度以降は女性三〜五人になった。方針には九六年度まで「優生手術については、地域精神科医師との連携を密にして、趣旨の普及徹底を図る」と盛り込んでいた。

 

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