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【社会】

医師の長時間労働 特定機能病院7割に勧告

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 大規模病院で違法残業や残業代の未払いが相次ぎ発覚している問題で、高度医療を担う全国八十五の特定機能病院のうち、七割超の六十四病院で労働基準法違反があったとして労働基準監督署が是正勧告し、少なくとも二十八病院に複数回の勧告をしていたことが二十三日、明らかになった。

 共同通信が二〇一三〜一七年の関係資料を入手した。藤田保健衛生大病院(愛知県)など五病院に関しては勧告が四回繰り返され、労使協定(三六協定)の未締結や労基署への無届けを指摘された病院も六病院あった。勤務医らの長時間労働の根深さが裏付けられ、医師の働き方改革の議論に影響がありそうだ。

 勧告を受けた病院や運営法人の中には、三六協定の上限時間を引き上げることで違反状態を解消しようとする病院もあった。がん研究会有明病院(東京都)を運営するがん研究会は、三六協定に基づく医師の残業上限(月八十時間)を超える残業をさせたなどとして一六年十二月に勧告を受け、「過労死ライン」とされる百時間を大幅に上回る百五十五時間を上限とする協定を結び直していた。

 四回の勧告があったのは藤田保健衛生大、奈良県立医大、山口大、愛媛大、長崎大の各病院。長崎大病院は、時間外労働に関する労使協定の上限時間(月八十時間)を超える月九十五時間の残業をさせたなどとして一三年三月に是正勧告を受け、一七年六月までほぼ毎年、違法残業か割増賃金の未払いで勧告を受けた。未払い分は既に支払ったという。

 藤田保健衛生大のほか、千葉大、日本医大(東京都)、横浜市立大、京都府立医大の各病院と静岡県立静岡がんセンターは、医師らとの間に三六協定を結んでいなかったり労基署に届け出ていなかったりしたにもかかわらず残業させたとして勧告を受けた。いずれも現在は協定を結び、届け出もしているとしている。

 医師の長時間労働は、診療の求めを原則拒めないと医師法が規定する「応召義務」も一因とされ、厚生労働省の検討会が在り方について議論。患者への説明など一部の業務を他の職種に任せるタスク・シフティング(業務移管)の推進を柱とした緊急対策をまとめた。

◆是正勧告を受けた関東の21特定機能病院

【東京】

杏林大学医学部付属病院

慶応義塾大学病院

がん研究会有明病院

昭和大学病院

帝京大学医学部付属病院

東京医科歯科大学医学部付属病院

東京医科大学病院

東京慈恵会医科大学付属病院

東京大学医学部付属病院

東邦大学医療センター大森病院

国立国際医療研究センター病院

日本医科大学付属病院

日本大学医学部付属板橋病院

【神奈川】

北里大学病院

横浜市立大学付属病院

聖マリアンナ医科大学病院

東海大学医学部付属病院

【千葉】

千葉大学医学部付属病院

国立がん研究センター東病院

【栃木】

独協医科大学病院

【茨城】

筑波大学付属病院

 

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