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【社会】

のぞみ台車147台強度不足 川重製3割 鋼材削り厚み足りず

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 JR西日本の新幹線のぞみ34号の台車に亀裂が見つかった問題で、同社とJR東海が川崎重工業から購入した東海道・山陽新幹線の台車計百四十七台の「台車枠」と呼ばれる部品が設計上の厚さに足りない不良品だったことが分かった。昨年十二月に走行中に破断寸前となったのはこのうちの一台。JR両社は残り百四十六台の交換作業を順次進めているが、すぐ走行に問題がある台車はないとしている。亀裂が入らないかどうか定期的に検査しながら、通常ダイヤでの運行を続ける。

 JR西の来島(きじま)達夫社長らが二十八日、大阪市内で会見して発表した。同社によると、台車枠は厚さ八ミリの鋼板をロの字形に折り曲げた構造で、設計では七ミリ以上の厚さを要求していた。しかし、亀裂ができた台車枠は、別の部品「軸バネ座」と溶接する底面が、最も薄い所で四・七ミリしかなかった。川重は溶接の際に隙間を小さくするため鋼材を削ったことを認め、「(強度不足になるため)本来は行ってはいけない作業だった」と説明したという。

 JR西は、川重が台車枠と軸バネ座を溶接した時から、二つの部品をつなぐ溶接部分に傷があったとする見解も発表。「傷も製造上の不備。傷だけでは大きな亀裂につながらないが、今回は底面の強度不足のために広がった」と説明した。

 来島社長は謝罪した上で、「メーカーと鉄道事業者が一体となって安全を担保する必要がある。メーカーに製造時の検査確認と品質保証を求め、安全を確保したい」と述べた。

 JR西、東海によると、同型の台車はJR西が二〇〇七〜一〇年に三百三台、東海は〇五〜一二年に百三十台をそれぞれ川重から購入。両社が点検作業をしたところ、台車枠の厚さ不足は西で百一台、東海で四十六台あった。東海は今年末までに交換を終える予定。両社とも交換までの間、超音波検査や目視などで亀裂の有無を確認し、安全を確保するという。東海道・山陽新幹線ではJR東海、西日本、九州の三社の車両が混在。問題の台車は東海と西の車両で使われている。

 <のぞみ34号のトラブル> 2017年12月11日、JR西日本が所有する博多発東京行きのぞみ34号で、乗務員が小倉駅を出発後に焦げた臭いを確認。その後も異臭や異常音などに気付きながら、現場と指令員が停止判断を人任せにし、名古屋駅で運休するまで約3時間運転を続けた。台車枠の亀裂は底面に16センチ、両側面に約14センチで破断寸前だった。運輸安全委員会が新幹線で初の重大インシデントに認定した。

 

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