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【社会】

<福島 希望の朝へ> (1)日の出 漁師再び海に

夜明け直前、明かりをともした船で漁師はシラウオ漁の開始を待つ=福島県浪江町の請戸漁港から北に約22キロの太平洋で

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 日の出直前の午前六時ごろ、空と海は黒闇から朱色へと刻々と変化する。シラウオを追う漁師は網を投げ込むタイミングを見計らって船を動かし始めた。

 福島県浪江町の請戸(うけど)漁港は福島第一原発から北にわずか七キロ。東日本大震災後、立ち入りが制限され、復旧が遅れた。昨年二月、修復された港に約三割の二十六隻が戻った。

 「全く体がなまってしょうがない」と漁師の只野友一さん(66)。試験操業中で出漁数は週一回に制限されている。早く海に戻りたかった。請戸で最も早く、震災一年後に漁船を新造した。七年前の三月十一日、家とローンの残る船を失った。迷ったが、長男の「また漁に出るなら一緒にやるよ」の言葉が背中を押した。

 この日の収穫は約百六十キロ。身は透き通り、朝日に輝く。「シラウオ足が早いから」。只野さんはさっそうと漁港を後にした。 (写真と文・内山田正夫)

     ◇

 東日本大震災から七年を迎える福島の被災地で、復興を願い奮闘する人たちの朝の姿を追いました。

 

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